高齢出産をした人の3割が不妊治療をしていた

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妊娠は自然にできれば理想ですが…
高齢出産で一番気がかりなのは「妊娠できるかどうか」です。それなら、高齢出産の人は、妊娠の可能性を高くするために早めの不妊治療をした方がよいのでしょうか?

少し前までは、不妊治療とは、どうしても子どもが出来ない人が一大決心をしておこなう特別なことのように思われてきました。ところがこの夏に刊行されるベネッセ次世代育成研究所の調査「第1回妊娠出産子育て基本調査」の速報版によると、不妊治療を行う人はずいぶん多くなっているようなのです。35才以上で出産したという回答者242人のうち、不妊治療をしたという人は27.3%に上りました。

年齢と共に減る自然な妊娠

全年齢で見ると不妊治療をした人は13.7%でした。不妊症は10人に1人とも6人に1人とも言われています。でも今回の調査をみると、それは高齢出産の場合にはもっと高いことがよくわかります。(※1)

●「夫婦であるいはどちらかが不妊治療を受けた」人の割合
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高齢出産者は3人に1人が不妊治療をしていました。【ベネッセ次世代育成研究所調べ】
・24歳以下   0 % 
・25~29歳   7.6% 
・30~34歳  17.9% (約6人に1人)
・35歳以上  27.3% (約4人に1人)

 

身近になる不妊治療

ただ、35歳以上の人がこれだけ治療をしているということは、いま治療が受けやすくなっている証拠かもしれません。「まわりに不妊治療中の友人、同僚がいる」という人も増えて治療が身近なものになっています。

35歳以上でも自然に妊娠する人の方がずっと多いのですが、これだけ不妊治療が普及した現代では、治療のことを頭の片隅においておくのもいいかもしれません。不妊になりやすいと一般的に考えられている理由をいくつか持っているカップルの場合は、特にそういえるでしょう。

不妊になりやすいサインは?

妊娠しにくいかもしれないのは、こんな場合です。

年齢
・女性の場合、妊娠しやすさの最大のポイントは年齢です。体外受精の妊娠率によると、卵子の力は33歳くらいから少しずつ低下が始まり、37~38歳を過ぎると若いときとはだいぶ違ってきます。詳しくは「卵子の老化と不妊をめぐる3つの勘違い」をご覧ください。

身体からのサイン
・避妊をやめてから長いのになかなか妊娠しない
・排卵日をねらって性生活を持っているのに妊娠しない
・生理の量が少なすぎる、多すぎる
・生理痛がひどい、生理が重い
・生理の間隔が短すぎる、長すぎる、バラバラである
・無月経になっている
・おりものに異変が起きている
・性交痛がある

妊娠チャンスが少ない場合
・夫も妻も忙しい生活をしている
・セックスの回数が少ない、セックスレス
・排卵期と仕事の忙しい時期が重なりがち

生活習慣
・タバコをすっている(夫婦両方あるいはどちらかでも)
・肥満
・ダイエットによるやせ過ぎ

夫側の理由
・ED(勃起障害)
・性器の手術をしたことがある

「どうしても妊娠したいか?」も考えて

不妊治療は心身にもお財布にも、そして夫婦関係にも負担があります。「どうしても妊娠しなくては」と力が入るとかえってストレスになることもあります。

でも、一度検査をしてみるのもいいでしょう。そのあと不妊治療をするかどうかは、検査結果の説明を聞いた上で、「どの程度強く子どもを望んでいるのか」「早く欲しいのか、それとも遅くなってもいいのか」「何人欲しいのか」などを考えながら決めればよいことです。

不妊治療は、全力投球をする人もいれば、仕事が忙しくなるとお休みしながら、無理のない範囲で治療をする人もいます。自分の気持ちを医師に伝えて、自分たちに合った治療を考えることもできるでしょう。

(2013年一部改訂)

(※1) 最近のデータによると、何らかの不妊治療をしたことがある人は6人に1人、40代初産の場合はまったく自然なまま妊娠した人は2人に1人、3人に1人が体外受精による妊娠。不妊治療で妊娠する人は、今はもっと増えています。(『卵子老化の真実』より要約)
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【関連情報】
こちらは2007年の記事になります。新しい情報もご利用下さい。

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