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赤ちゃんポストと子どもを手放す人のこころ(2ページ目)

妊婦さんの中には、どうしても育てられない赤ちゃんを産む人がいます。特別養子縁組を17年間続けてきた産婦人科医・鮫島浩二先生に、生き別れる親子たちの現実をお聞きしました。

河合 蘭

執筆者:河合 蘭

妊娠・出産ガイド

「捨て子助長」の反論は論外

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河合「赤ちゃんポスト」について鮫島先生はどうお考えですか?

鮫島 捨て子を助長するという意見はナンセンスだと思います。誰かが何か新しいことをしようとすると常にネガティブな反論が出てきますが、だからやらないというのでは何もできないでしょう。ただ、養子縁組みをしている僕の立場から見ると、赤ちゃんポストが子どもを幸せにできるシステムかどうかは疑問です。

河合 赤ちゃんポストに入れられた赤ちゃんはどうなるとお考えですか。

赤ちゃんが家庭で育てられる可能性は低い

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鮫島 赤ちゃんを養子に欲しいという人がしばらく殺到するかもしれませんが、法律的に難しい面があります。現在の日本の法律では、実の親の同意書がないと養子縁組が成立しません。赤ちゃんは児童相談所から乳児院に行き、1歳になれば養護施設に入ります。そこで里親に引き取られる可能性がありますが、今、里親希望者は減る一方。そのまま、18歳まで施設から出られない子がほとんどです。

子どもは、施設より家庭で育てられる方が幸せです。産みのお母さんがこっそり赤ちゃんを捨てたりせず堂々と名乗り出て、きちんと手続きをしてくれれば、その子の幸せにつながります。その点では、「養子縁組斡旋者のリストを広く配布する」とか、日本の福祉制度に合った支援も必要だと感じます。

河合 遺棄と養子縁組は、実親が育てないという点は同じでも、子どもの未来がまったく違うのですね。先生は、養子に出すと決めて産む方の出産にもたくさん立ち会ってこられたとか。

>>鮫島先生がおこなっている養子縁組とは?>>
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