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陣痛恐怖症が帝王切開を増やす?

「陣痛が怖い、手術の方がいい‥‥」そんな気もちの人が出てきたようです。そう思っている人も、いない人も、一度は読んでおきたい帝王切開のリスクについて。

河合 蘭

執筆者:河合 蘭

妊娠・出産ガイド

帝王切開なら陣痛がなくてラク?

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ほとんどの人はできれば避けたいと思う帝王切開ですが、抵抗感がない人もいます。
帝王切開が増えているのではないかという声があります。厚生労働省は帝王切開の件数を調査していますが3年ごとで、現時点の最新データは平成14年と少し古くなってしまいよくわかりません。でも、昨今の医師不足の中、増加は考えらます。

背景には、医療訴訟の増加、晩婚・晩産化も関わっているかもしれません。でも女性の気持ちにも変化の兆しがあって、最近は経腟出産への不安が高まっています。麻酔出産か、いっそ帝王切開で産むのもいいかも、という声も聞かれるようになりました。「手術もこわいけれど、お産の方がもっとこわい」というのです。

次のお産のことも考えて


でも、かなり安全性が高くなったとはいえ、帝王切開はれっきとした開腹手術です。陣痛のかわりに術後は麻酔が覚めれば痛みがあるし、その傷は残ります。稀なことですが、手術の弊害として血栓ができやすいということがあります。これは母体に生命の危険が迫るほど大変なことです。

帝王切開は、危険が本当に迫ったときのみ、母親がこうしたリスクを賭してまで赤ちゃんを守ろうという決断です。だからこそ、お腹の傷は勲章だと言われるのです。

帝王切開で産むと、次のお産も帝王切開を薦められることが多いものです。育児をしながら次は陣痛を体験したいなと思い始めても、医師が受け入れてくれないかもしれません。胎盤の癒着なども、手術をしていない人に較べると起きやすくなります。

>>次は逆子の場合は 帝王切開するべきかをご説明します>>
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