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危険サインを知って!妊娠中の「脳出血」(2ページ目)

脳出血は20代・30代にも起きる病気で、妊婦死亡原因のトップ。多摩脳神経外科院長・諌山和男先生に、脳出血の基礎知識をお聞きしてきました。本人は何もわからなくなることがあるので夫婦で読んで下さい。

河合 蘭

執筆者:河合 蘭

妊娠・出産ガイド

すぐに脳のMRI検査(あるいはCT検査)をおこなうことが大切


河合 妊娠中にそんな症状が出たら、どうすればいいですか?

諌山先生 脳出血かどうかをすぐに診断してもらうことが大切です。それにはMRIあるいはCTによる画像検査が必ず必要です。脳出血が起きていれば、程度によってはただちに手術が必要です。脳外科医だけではなく、産婦人科、救急、麻酔などの各科が協力しあって手術をします。手術によって脳を圧迫していた血腫を取り除くことができれば、むくみも引いていきます。

河合 まず、自宅からどこへ向かうべきでしょうか。産婦人科にはCTあるいはMRIといった機械はありませんね。

諌山先生 一番いいのは脳外科と産婦人科があって手術ができるところです。そうした施設が少ないのが問題ですが、お母さんの命を守るためには脳外科があることが優先になるでしょうか。

脳外科へ直行すべきケースもある


河合 産婦人科の先生たちからは「もし脳出血ではなくて子癇であった場合は、身体を動かしたり明るいところへ行ったりすると、かえって悪化する」という声もありますが。

諌山先生 脳や心臓の病気は短時間で亡くなることもあり得ますから、こうした病気が疑われるときはそのようなことを考えるゆとりはないのです。脳外科診療では、まず神経所見の把握に続いてCTあるいはMRIによる画像検査をおこないます。

河合 しかし、ほとんどの妊婦さんは、妊娠中に具合が悪くなったらかかりつけの産婦人科へ行こうと考えるのではないでしょうか。

諌山先生 調査によると、妊娠中に脳出血を起こした人の7割ははじめに産婦人科へかかるようですね。軽い症状の方が多いのかもしれません。でも、もし脳外科のある救急救命センターへ行って「尋常ではない頭痛がある」と訴えれば、その場ですぐにCTを撮ることになるでしょう。

河合 その方が早く対応していただけそうですね。

>>脳出血は予防できる? 食生活を気をつければいいのでしょうか?>>
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