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分娩室で倒れる男性はいる?

「男性はお産がこわい」「血に弱い」と言われるけれど‥‥ホントに気絶しちゃった夫はいるのでしょうか?男性の繊細な気持ちを知りましょう。

河合 蘭

執筆者:河合 蘭

妊娠・出産ガイド

男性は、お産がこわくてもしかたがない

イラスト/平井さくら
今こそ決心のとき!イラスト/平井さくら
分娩室でフラ~ッと倒れてしまう男性はいるでしょうか?答えはイエスです。ごく稀なことですが、多くの助産師さんがそうした経験を一回くらいはもっているようです。

仕事は警察官なのに、奥様のお産では倒れてしまった人もいるそうです。男性は本当にデリケートなんだということを、女性は知っておいてあげましょう。

パートナーが立ち会い出産を「いや」と感じる場合、最大の理由は「恐怖」でしょう。人間誰でも未知のものは恐ろしいですが、女性には毎月の生理もあります。これは、子宮がみずからを空にするという意味では「小さな小さな出産」と言うべきもの。しかし男性の身体には、そうした手がかりのようなものが何もありません。

眠りの中に逃げる男性も

気絶をしなくても、そこにいられなくなって退室してしまう夫もいます。あるいは、眠ってしまうことが、退室はしないけれど心だけ退室させる手段になっっていることもあります。もちろん、長いお産に誠心誠意つきあってくれて、ついに眠ってしまう夫もたくさんいますが‥‥。

しかし、男性だからといって、必ずしもお産がこわいかというと、決してそんなことはありません。立ち会い出産も2回目、3回目になる男性などは、出産の進み方もよく心得ていて、分娩室全体に落ち着いたムードを作ってくれるほど。大体、日々お産に明け暮れる産婦人科医も、多くが男性です。

手術のような雰囲気が緊張を呼ぶ

こうした夫たちの強い緊張感は、ひとつには、分娩室が手術室に近い作りになっていることが原因だと、私は思います。また、実際、点滴があったり、小手術といえる会陰切開があるかもしれません。

それは、お産と手術、両方の緊張を背負うようなものです。夫がいる出産こそ、できれば家庭的な雰囲気の自然出産がふさわしいのではないでしょうか。「夫は血がダメなんです」という方がよくいますが、会陰切開がないと、赤ちゃんにも血液がついていません。お産の場で血液を意識する場面は、あまりないものです。

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