おなかの赤ちゃんにも感染してしまう可能性があります。  
妊娠中の女性、お腹の赤ちゃん、新生児に特有な条件をふまえた感染症対策を、産婦人科医でインフェクション・コントロール・ドクター(感染予防医)認定医の小島俊行先生(三井記念病院産婦人科部長)にお聞きするシリーズです。

価が高すぎても心配な「HI抗体」


現在おこなわれている風疹抗体の検査は2通りあります。一般的なのはHI抗体というものを測る検査で、これは、風疹にかかったことがあれば基本的に終生持ち続ける抗体です。

しかし、「風疹のような発疹が出た」「風疹の人と接触した」という人には、これだけでは十分な検査とはいえません。HI抗体を調べただけでは、いつの感染かわからないからです。また、抗体価があまりにも高い妊婦さん(256倍くらい)も、最近に感染した可能性があります。HI抗体価は、感染直後にはとても高いのです。

感染の可能性があれば二次施設へ


そのような場合は「風疹特異的IgM抗体」という、感染後100日くらいしか出ない抗体を測定します。そして、両方の抗体が高い値だと、妊娠中の感染が起きた可能性が高くなってきます。

こんな時は、かかっている医師を通じて、感染症の相談先に指定されている大きな病院(二次施設)に紹介してもらいましょう。そこでは、中絶という問題もふくめて、本当に妊娠中に風疹にかかったのかどうか、今どうすればいいのかをより専門的に追究していく準備があります。

通知票に手かがりがあることも


IgM抗体が高い数値を示す人でも、感染していない人もいます。いろいろなことを考えなければなりませんが、自分が風疹に感染したことがあるかどうかを思い出すことがまず第一です。実家に聞いたり、きょうだいにも聞いてみる必要があります。

一度風疹にかかった人がまたかかってしまう「再感染」もあるのですが、これは風疹にかかる人全体の5%くらいです。再感染による先天性風疹症候群の赤ちゃんは1999年から2003年までのあいだに1例しか報告されていませんから、かなりまれなことです。

風疹にかかったことがあるかどうかは、子供の時の通知票を見るとヒントがあるかもしれません。3~4日の出席停止の記載が残っていたら、それは風疹が理由だったかもしれません。風疹は流行年があります。日本では、1976年、1982年、1987年、1992年の春に大流行が起きています。風疹に自然感染した人の7~8割は、この時期にかかっています。

>>風疹は検査してもわかりにくい?>>