産後うつ病に詳しい専門家はまだ少ない
産後うつ病に詳しい専門家(周産期精神医学)は、まだ少ないのが実情です。
産院や母子保健センターがもっと積極的になるとよいのですが、「神経質にならない方がいいよ」などといったはげましの言葉に留まるケースもあるようです。産後うつ病の段階になると、言葉だけでは追いつきません。
「こういう病気があるんだ」ということすらあまり認識されていないので、産後うつ病の人の多くは見逃されている、と推測されています。イギリスはもっと産後うつ病の対策システムが進んだ国ですが、それでも、最近の報告でも、かかった人の1/4くらいしか、実際には治療を受けていないといわれています。
自治体によっては新生児訪問で取り組み開始
こうした中で厚生労働省は、2002年に「健やか親子21」というキャンペーンの中に産後うつ病を減少させようという目標を盛り込みました。今、全国的に産後うつ病のスクリーニングなどシステムづくりを開始した市町村も増えてきています。
自治体の新生児訪問で、産後うつ病の可能性がわかる質問用紙を使い、産後うつ病のスクリーニング使い始めたところもあります。このスクリーニング・テストをきちんと使いこなすのは簡単なことではないのですが、保健師、助産師などが研修を受けて正しい方法を習得し、各地に広がる兆しが見えています。