病気の重症度と母乳哺育のバランスを考えましょう
岡野先生は、数は多くはないけれど「どうしても母乳をあげたい」と言う人がいたら、軽症のうつ病であれば、納得してもらうまで短期間待つこともあるそうです。その後に納得できたら薬を出します。
しかし中等度から重症の産後うつ病では、母乳哺育を中断して、抗うつ薬を使用することをすすめます。特に、自殺の恐れのある産後うつ病の治療では「薬物療法を優先して下さい」と説得することがあるといいます。
病気が治ったら、母乳を復活できる?
岡野先生のもとでは、ほとんどの人は母乳をやめて薬物治療に入ります。ただ「うつ病が治ったらまた母乳をあげられますか?」という質問はよく受けるそうです。
これは不可能ではありません。母乳は一度止まってしまうと再開が難しいのですが、搾乳を続けていけば、母乳は出続けます。ただ、数日なら簡単ですが、うつ病の治療期間は長いのでちょっと大変です。早い人でも3ヵ月くらいかかります。
搾乳も、断乳も、産後の人にはとても大変なことだと思います。いつか、母乳が安全に続けられる薬ができればいいですね。でも現在では、本当に必要な時には決心をすることも必要です。
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産後うつ病について相談できるところ
◆もっと知りたい方へ
PSI-JAPAN (周産期のメンタルヘルスを支援する国際組織 Postpartum Support International-Japan)
PSI-JAPANは産後うつ病の方への支援を目的に他分野の専門家が集まっているネット ワーク。もとは米国のものですが、日本支部も作られました。 サイトでは産後うつ病の基礎知識はもちろん、実感のこもった体験談もたくさん。この病気を理解するのに最適なおすすめサイトです。
ママブルー
ご自身が産後うつ病を克服した体験を持つ女性・みや崎さんが2004年10月に友人と立ち上げました。みや崎さんの闘病記や回復に役立った書籍の紹介、リンク集など、女性側からの情報発信サイト。各自治体の相談窓口情報もあります。