最先端テクノロジーで環境ホルモンを抽出した立岡弓子さん。でもひとたび家に帰ると、子育ての真っ盛り! |
自分自身が母乳でふたり育てた立岡さん
忙しい現代人が、便利なものをひとつずつやめるのは、大変なことですね。実は、調査した立岡さん自身、小さなお子さんをふたりかかえて大学に勤務する、とても忙しい主婦なのです。だから、便利なものについ手が出てしまう女性の気持ちを、立岡さんは切実にわかるそうです。
そして、母乳でふたりの子どもを育てました。だからスキンシップも自然にできたし、そのことにとても満足しています。保育園で冷凍母乳を受け入れてくれなかったときは、「一日一回でいいから」と頼んで、ついに、その園の冷凍母乳第一号になったほど。
「母乳は赤ちゃんに一番のもの。だから、この研究結果を知っても母乳をあげることに不安にならないでほしい‥‥」そう願いながら、立岡さんはこの研究を2003年環境ホルモン学会、母乳哺育学会で発表しました。
思った通り、「せっかく、ダイオキシン騒動がおさまったのに、今度はBPAか?」という声が聞かれました。母乳中の環境ホルモンとしては、ダイオキシンがよく知られています。これは、厚生労働省が吟味した結果「ダイオキシンのために母乳を人工乳に変えないように」という見解を出して一応落ち着きましたが、盛んに報道された当時は母乳を挙げているたくさんの人たちが混乱に陥りました。