<インタビュー> 林昌洋さん(虎の門病院薬剤部長)
「妊娠と薬」相談外来では、どんな相談が多いですか?

ひとつは、妊娠のごく初期に、赤ちゃんがいることを知らないで薬を飲んでしまった、というケースです。

赤ちゃんへの影響と服用時期の関係について教えてください。

服用時期は、赤ちゃんへの影響を大きく左右することがわかっています。一般に妊娠初期の影響が大きいのですが、受精後2週間(最終月経から27日まで・月経周期が28日の場合)の間に薬の強い力を受けた場合は着床できなかったり、流産(本人も気づかない流産)になってしまいます。そうならなかった場合は些細なダメージを受けても完全に修復され、正常に出産します。これは「all or noneの法則」と呼ばれている現象です。

一番問題になるのはこのあとに続く赤ちゃんの器官ができていく時期で、催奇性の危険がある時期は、大体4ヶ月くらいまで続きます。妊娠5ヶ月になるとその心配は少なくなりますが、その後は「赤ちゃんの成長が妨げられる」「羊水が減ってしまう」など健康状態への影響に問題が移っていきます。

妊娠に気づくか気づかないかの微妙な時期に、危険期が始まるのですね。

そうです。気をつけて欲しいのは、ほとんどの方が使っている市販の検査薬では、30日くらいにならないと妊娠反応を検出できないということです。危険期が始まる28日とほんの数日の差なのですが、外来にいらして、「反応が出ないから安心して飲んでしまった」と悩む方は少なくありません。女性の身体は排卵がずれることもありますし、試薬は限界を知って使わないとあとでご自身が不安になるもとです。

グラフ・平井さくら 『妊婦と薬物治療の考え方-投与時の注意と禁忌』(ヴァンメディカル)の中の「妊婦と薬物治療の考え方」(雨森良彦、池谷美樹)にあるものを参考に作成。



虎の門病院「妊娠と薬相談外来」

(1)薬剤師さんも、ニンプの味方だった
(2)服薬の時期と赤ちゃんへの影響
(3)薬を飲まなければならないとき
(4)もし、危険な薬だったとわかったら
(5)薬の相談ができるところ一覧

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