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流産は、自分を責めないで!化学流産とは?(2ページ目)

東京大学付属病院「習慣流産外来」の藤井知行先生に聞く流産の知識第1回。流産は初期ほど多く、受精の直後、知らない間に起きている流産も多い。悲しいことだけれど、流産は異常卵を淘汰する自然の選択でもある。

河合 蘭

執筆者:河合 蘭

妊娠・出産ガイド

気づかない間に起きている「オカルト流産」

実は、もっとも流産しやすいのは、皆さんが妊娠に気づく前です。ふだんより少しおくれて、少し重い生理があった経験を思い出す方はいませんか。もしかしたら、それはきわめて早い時期の流産だったかもしれません。

人間の受精卵は、受精の直後ではなんと40%が異常卵だといわれています。それが、子宮に移動する間にすでに淘汰が起きて、着床時には25%に減ります。このころの流産は、化学反応、つまり尿の妊娠反応を調べた時のみわかるので、「化学流産」あるいは「オカルト流産」と呼ばれています。

この、気がつかない流産のことも考え合わせれば、人間の受精卵はそれほど完璧なものではない、とわかります。異常が起きるということも、「誰にでも起きる不運」と考えるべきなのです。

仕事やスポーツで流産することは、まずない

流産をすると、女性はよく罪の意識を感じますね。芸能人が流産をすると、よくテレビで「私が仕事でつい無理をしたから」と発言します。私は、それを聞くと、「違うよ!」と言いたくなります。流産は、特に初期流産は、生活のしかたや行動で起きることはまずありません。

妊娠中期になるとスポーツなどの影響を受けるケースがあります。それでも、他には何も問題がなく、ただ1つのあることをしただけで流産するようなことはまれです。

自分では「あれが悪かったのでは」という心当たりがない人も、家族や周りの人から行動を責められるような言葉を言われることがあります。でも、これはいわれのない誤解なのです。この誤解は、女性をずっと苦しめてきたと思います。

ただ、いかに自然の一部とはいえ、赤ちゃんを失うことは大変なことに違いありません。心にもからだにもいいケアが必要です。また、少数ですが、医学が防ぎ得る流産がないわけではありません。

■続きの記事を読む
流産しない為の対策ってあるの?



◆藤井先生は、流産の最新知識をわかりやすく解説した本を出されています。
『流産-もう、ひとりで苦しまないで』藤井知行著 東京図書 2003 ¥1800+税

◆東京大学医学部附属病院女性診療科「習慣流産外来」のホームページ
習慣外来ホームページ
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