海外の公的年金制度に続いて、老後資金準備の方法をご案内します |
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・日本と海外、意識の違いは?
・老後資金の準備方法~アメリカの場合
・老後資金の準備方法~イギリスの場合
・老後資金の準備方法~スウェーデンの場合
・リタイアメントを迎える意識の違いは?
日本と海外、意識の違いは?
日本と海外では「老後」に対してどんな考え方を持っているのでしょうか。老後に関する意識調査(第4回AXAリタイアメントスコープ「変化するリタイアメントの意識」より)に結果から比較してみましょう。はじめに、老後資金の準備のきっかけを比較してみましょう。日本の場合、最も多いきっかけは「50歳に近づいたとき」で、次いで「財政的困難」「子どもができたとき」となっています。日本でも老後資金の準備を始める年齢は年々若くなっており、老後資金の準備を始めた平均年齢が2004年では52歳でしたが、2007年では31歳と20歳以上も若くなっています。ただし、現役世代で老後資金の準備をすでに始めているかを聞いた結果は、全体の61%がまだ準備を始めておらず、始める予定の年齢を「50歳」と考えている人が多くなっています。
アメリカの場合は老後資金の準備を始めたきっかけの第1位が「40歳が近づいたとき」、イギリスは「よい年金制度に加入したとき」、ドイツは「子どもができたとき」となっています。ベスト3に入っている答えとして「結婚したとき」などが挙げられており、いずれも日本より早いタイミングで老後資金の準備を始めているようです。
また、「退職後、再就職を希望するか」という問いには日本人の71%が「はい」だったのに対して、アメリカは55%、イギリスは51%、ドイツは36%と日本に比べていずれも低い割合となりました。さらに、退職年齢を引き上げることに賛成する人の割合は日本が58%、アメリカが16%、イギリスが20%、ドイツが11%を占めています。日本人はできるだけ長く仕事を続けたいと思う人が、海外に比べて多いようです。
その反面、「年をとった」と感じ始める年齢として日本人は「56歳」を挙げており、退職前に老齢を意識しているのは日本だけという結果も出ています(ちなみにアメリカ73歳、イギリス72歳、ドイツ71歳です)。つまり、日本の場合は、「年齢は意識するけれど、仕事はできるだけ長く続けたい」と考えている人が多いのかもしれません。
このように、日本と海外では老後に対するイメージに違いがみられます。それでは、具体的な老後資金の準備について、アメリカ・イギリス・スウェーデンの場合をみていきましょう。
はじめにアメリカの老後資金準備をご案内します(次ページへ)