手取りの1割貯金を目安に、自分にあった金額を見つけよう
毎月どれくらいを貯金に回せるかは、収入、家族構成、暮らし方などにより違ってきます。まずは、手取り収入の1割を貯金してみて、無理なく生活していけるか確認してみましょう。手取りの給料の1割から始めてみよう
例えば毎月の手取り収入が30万円なら1割は3万円。残り27万円でやりくりするということですね。収入が増えたら、貯金額も増やします。手取りが35万円になったら1割は3万5000円です。
「余裕!」という人は、もっと増やしてみましょう。「厳しいな!」と感じた人は、無駄なお金を使っていないか確認した上で、もう一度、1割貯金に挑戦してみるか、貯金額を減らして、無理なくできる金額を見つけましょう。あまり無理をすると、ダイエットと同じでリバウンドし、せっかく貯めたお金を結局、取り崩すことになりかねません。かといって、余裕がある時期にある程度のお金を貯めておかないと、子どもの教育費がかかる時期になって後悔するなどといったことになりかねません。
共働き世帯なら、1割より多く貯金できそうですね。もう少し細かく、家計のタイプ別の割合を考えてみました。
家計のタイプ別の貯蓄割合はどれくらい?
これまで、子どものいる夫婦、いない夫婦、シングルなど、いろいろな人の家計を拝見してきた経験から、家計のタイプ別に次のような貯金の目安をおすすめします。子どものいる専業主婦家庭は1割
子どもが小学校に上がるまでは幼稚園の月謝(保育料)など子育て費用が案外かかるものです。子どもが小学生の間が貯め時。子どもが成長し、夫の年収が上がってくるころには、高校・大学と教育費の負担が増えます。1割を続けていけたら立派です。子どものいない専業主婦家庭は1.5~2割
手取りが月30万円なら1.5~2割は4.5万円から6万円。子どもは持たないつもりが、思いがけず高齢出産で子どもに恵まれるケースもあるかもしれません。また、夫婦二人での充実した生活を将来にわたって確保するためにも、今、余裕があるからといって油断しないで、しっかり貯金しておきましょう。共働き世帯は2割以上
夫婦別会計なら、それぞれ収入の1割以上。家計費を一緒にしているなら、世帯の手取り収入の2割以上を目安に。共働きを続けるには、それなりのコストもかかります。子どもの保育料や家事を合理的にするための費用、妻の被服費など。しっかり貯めつつ、せっかく働いているのだから必要なものにはお金を使う、時には息抜きをすることも大事ですね。メリハリをつけたお金の使い方を工夫しましょう。実家で暮らすシングルは3割以上
家賃も光熱費も実家が払ってくれる場合で、しかも正社員なら、3割以上は貯金したいものです。過去にお会いしたシングルの中には、4割貯金という人もいました。結婚した場合も、独身時代に貯めた自分名義の貯金があれば、精神的にも余裕が持てます。また転職など、さまざまな場面で、貯金のあるなしは影響するでしょう。アルバイトや派遣の人も、なるべく貯めておきましょう。シングルの一人暮らしは0.5割から1割
家賃に食費に光熱費、おしゃれもしたいし……。まだ若く、自分の収入だけで一人暮らしをしている人は、貯金どころではないかもしれません。そんな場合も、月3000円でも5000円でも貯めておきましょう。目標は0.5割。収入が増えてきたら、やはり1割、余裕があるなら1割以上を目指します。ところで、実際には、どれくらいを貯金に回しているのでしょう?
2人以上で暮らす現役世帯の貯蓄率は3割
令和2年(2020年)の総務省の「家計調査報告(家計収支編)」によれば、現役世帯(2人以上世帯のうち勤労者世帯)の平均は次のようになっています。●1カ月あたり収入57万9127円、手取り49万8639円。生活のために使ったお金(消費支出)30万5811円。黒字率38.7%、うち金融資産純増35.7%
黒字率は、収入から税金や社会保険料などを引いた手取り(可処分所得)から生活費を使った後、どれくらいが残ったかを表します。38.7%です。ただし、この黒字分を全部、貯金できるわけではありません。住宅ローンなどの借金がある家庭は、この黒字分から返済をしなければなりません。というわけで、貯金などの資産形成に回せたお金は、金融資産純増率の35.7%。3.5割ですね。2020年はコロナ禍で外出が減ったなどの影響もあるようです。ご参考までに、2019年の金融資産純増は31.6%、2018年は27%、2017年は22.5%でした。世帯により2~3割程度ということでしょうか。
3割を貯蓄に回すのはきついと感じた方もいることでしょう。このデータは住宅ローンがある人もない人も合わせた平均ですから、住宅ローンがある人はもっと少なくなるはずです。またボーナスがある場合はボーナスも加えた平均額です。
ちなみに、金融資産の中には銀行の定期預金だけではなく、投資信託や、いずれ給付金や満期金が受け取れる貯蓄性のある保険も含まれます。銀行の積立に加えて、投資信託の積立や保険料の支払い(貯蓄性のある保険が対象)も含めて、毎月1~2割、ボーナスを含めた年間では2~3割を目安に、我が家の場合を考えてみてください。
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