集中投資で一気にプロレベルまで上達する |
野球選手が、バスケットボールと剣道に分散させても良い成果は出ないでしょう。英語もろくに出来ない人が、中国語とフランス語を学んでも、中途半端なレベルにしか上達しないでしょう。
分散投資した結果、総合家電メーカー、GMS(ゼネラル・マーチャンダイジング・ストア)、かつてゼネラリストと呼ばれた管理職たちは、今どうなっているか、ご存じの通りです。「総合」と名の付くものは、経営資源を分散化させ、利益や成長力では専業企業の後塵を拝しています。
分散投資は技術と集中力の分散にもなる
お金も同様に、分散投資は運用技術や集中力、コントロール意識の分散につながります。分散というからには、預金・株・債券・商品・不動産に分散し、さらにそれぞれを国内・海外先進国・海外新興国に分散させてこそ、本当の意味での分散化になりますが、普通の人がそこまでは難しいですよね。
株式投資の中で、ひとつの企業に全額を投下する、ということではなく、ひとつのセクターに絞るということです。
ひとつのことに絞れば、しっかり情報を集め、深く考え、安全度が高いとわかった時点で資金を投下するでしょう。いろいろ手を広げるよりも、よほどリスクが低くなります。
株で利益を出せる人は、FXでも利益を出せる
それに、専業投資家はともかく、普通の人は本業がありますから、投資に割ける時間も限られているでしょう。使えるお金も数百万から数千万円の個人投資家には、投資ばかりにまわす金額はそれほど多くないはずです。だからまず、そこで、ひとつのことに集中して、一気にプロレベルまで知識や運用技術を向上させるのです。そうすれば、上達スピードも早く、カンも働くようになります。
投資のセオリーは、対象によってそう変わるものではありません。株もFXも不動産も、利益を出す理屈は同じです。
将棋が強い人は、チェスをやっても強い。つまり、株で利益を出せる人はFXでも出せるし、不動産でも出せる。ですから、ひとつのことをマスターすると、他の対象にも応用できるようになるのです。
真の投資家には、分散投資は必要ない
自分がやっていることの意味がわかっていない人、つまりリスクをコントロールできない人は、分散するしかありません。しかし、自分がいったい何に投資していて、リスクとその回避方法を知っている人には、実は分散投資なんて必要ありません。なぜなら、最も投資効率の高い対象につっこめば、最もリターンが大きくなることがわかっているからです。
企業や銘柄の評価が出来る人が、なぜ分散させる必要があるのでしょうか。
ウォーレン・バフェットはこう言います。「投資の分散は無知への防御策だ。自分が何をやっているかわかっている人には分散は必要ない」