お金の教科書~はじめて編~/ライフプランを考える

ライフプランを立てよう

人生90年時代、楽しく充実した一生を送るには、将来の夢や希望、目標を明確にして、ライフプランを作り、適切な資金計画をたてることが必要です。その考え方と手順をご説明します。

大沼 恵美子

執筆者:大沼 恵美子

貯蓄ガイド

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1‐1 夢を実現する土台は十分な資産

一般的に人は、学校を卒業し、就職し、結婚し、子供が誕生し、教育を受けさせ、マイホームを購入し、子供が独立し、退職し、老後を楽しみ、死を迎える、という一生をおくります。限られた収入の中で夢を実現するために必要なことは、ライフプランを作って必要な費用を把握することと、家計の収支を把握して資金計画を立てて十分な資産を確保することです。毎年バランスシートを作って家計の健全度をチェックすることも重要です。

今回のレッスンで知っておきたいポイント

Point1ライフプランは人生の羅針盤

長い人生を充実したものにするには、生涯にわたって自分や家族の生活設計が必要です。それがライフプランで、我が家の羅針盤です。将来の夢や予定、目標などについて家族で話し合い、明確にし、共有することから始めます。ライフプランを実現するためにはお金の裏づけが不可欠ですが、事前に必要な時期や金額が把握できるので、情報を収集して効果的な資金計画をたてて着実に準備することができます。

ライフプランを立てる時、「お金」の他に2つの重要なポイントがあります。「健康」と「生きがい」です。「健康」でなければ夢を実現することは難しく、「いきがい」がなければ充実した日々とは言えません。「お金」「健康」「いきがい」は互いに関連しているので、3つのバランスをとることが重要です。

Point2もう国や企業に頼れない

少子高齢化が急速に進む中で、医療や介護、公的年金などの社会保険制度の見直しが進められています。また、年功序列の賃金制度や終身雇用制度、退職金・企業年金制度なども変わりつつあり、これまでのように国や企業や家族に全面的に頼ることは難しくなってきました。自分らしい一生を送るために、個人や家族がライフプランをたて、資金を準備する必要性が高まっています。

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Point3年代によってライフイベントやニーズは違う

人生には様々な節目があり、節目ごとにライフイベントやニーズは変化していきます。一般的なライフイベントとニーズを年代別にイメージすると、次のような特徴があります。
★20代(独身・新婚期):就職し、結婚について考える時期。結婚資金や自己投資など将来のために貯蓄を始め、保険やクレジットカードなどの知識を身につける。
★30代(ファミリー形成期):子供の誕生、マイホーム購入など、ライフイベントが目白押しの時期。子供がいる家庭では教育資金、住宅を購入する人は住宅資金など様々な資金の準備をはじめる。世帯主が死亡した時のリスクに備えて保険に加入することも考える。
★40代(ファミリー成長期):子供の教育費や住宅ローン返済などで家計が厳しい時期。老後資金の準備を始める。生命保険は、死亡保障や医療保障の内容を見直すことも考える。
★50代(ファミリー円熟期):子供が自立し家計の負担は軽減する。退職時期とその後の生活設計を立て、老後資金の準備をはじめる。生命保険は死亡保障より医療保障の必要性が高くなることも考える。
★60代以降(定年退職・老後期):住宅のリフォームや住宅ローン完済について検討する。退職金や老後資金の運用や、介護・相続などについても検討する。

Point4資金計画は家計収支の把握から

資金計画を立てる第一歩は、我が家の家計収支を把握することです。収入は「我が家の裁量で自由に使える収入」である「可処分所得」を使います。給与所得者の可処分所得は「年収-(所得税+住民税+社会保険料)」です。社会保険料は、厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料(40歳以上の場合)、雇用保険料です。

支出は、食費や光熱費などの基本的生活費、住宅ローンや固定資産税などの住宅関連費、教育関連費、生命・損害保険料、交際費などのその他の支出、自動車購入などの一時的支出、を合計したものです。それぞれの支出金額がわからないときには「可処分所得-1年間の貯蓄額」で算出することもできます。

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Point5バランスシートで家計の健全度をチェックしよう

我が家の資産と負債の状況を表すバランスシートを作成すると、家計の健全性や問題点を把握することができます。左側に預貯金や国債・株式などの金融資産、生命保険の解約返戻金、土地・建物や貴金属などは換金したらいくらになるかの金額、などをすべて書き出し合計します。これが「資産」です。右側には、住宅ローンや教育ローン、クレジットカードなどの残債すべてを書き出し合計します。これが「負債」です。資産から負債を引いたのが「純資産」で、これが我が家の家計の実力です。純資産が少ないあるいはマイナスであれば対策を立てる必要があります。毎年1回同じ日にバランスシートを作成して家計の健全度とその推移をチェックしましょう。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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