葬儀・葬式/葬儀の形態

直葬(ちょくそう)にみる現代の葬儀事情

近年、直葬(ちょくそう)といわれる葬儀に注目が集まっています。直葬とは、通夜・葬儀といった一連のセレモニーを行わす、火葬のみで済ませてしまう葬儀スタイルのこと。金銭的事情に加え、家族関係の変化、宗教観の変化、地域社会の変化などにより葬儀を簡単に済ませたいという人が増えています。

吉川 美津子

執筆者:吉川 美津子

葬儀・葬式・お墓ガイド

直葬(ちょくそう)とは

高齢化で参列者の減少も直葬ブームに拍車をかけています

高齢化で参列者の減少も直葬ブームに拍車をかけています

直葬(ちょくそう)とは、今から5~6年ほど前に造られた言葉で、通夜や葬儀といった儀式を行わず、原則的に火葬のみで済ませる葬儀スタイルを言います。火葬だけの葬儀スタイルは過去にもありましたが、それまでは金銭的な問題を抱えている人や、身元不明者や生活困窮者など、どちらかというと訳ありケースが主。それが今ではすっかり新しい葬送方法と認識され、「じきそう」と読む人も減り新語として定着してきました。

正確な統計はありませんが、葬儀社からの印象をまとめると少なくとも10%ほど、多いところでは30~40%の人が直葬を希望しているそうです。

直葬の流れと費用

一般的な直葬の流れは、臨終→安置→納棺→出棺→火葬(死後24時間を経過した後)→収骨→遺骨安置となります。通夜・葬儀といったセレモニーは行いませんが、安置場所に僧侶を招いて枕経をお願いしたり、火葬炉の前で簡単な炉前法要を行っていただくことは可能です。

費用については、セット料金で10万円~30万円ほど。この差は主に火葬費用(地域によって異なる)と人件費によるものです。この中に含まれているものは、だいたい次のとおりになります。

  • 火葬費用……地域によって異なる。数千円~15万円くらい
  • 寝台車・霊柩車……距離に応じて加算。約1万5000円~
  • ドライアイス……1日1万円前後
  • 棺……5万円前後~
  • 骨壷……1万5000円前後~
  • 人件費……5万円前後~
その他、自宅用安置祭壇、位牌、線香・焼香セット、花束などが含まれることもあります。

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