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大和ハウス(1) 多角経営で業界トップに!(3ページ目)

「ダイワマン」や「xevo」シリーズが有名な大和ハウス工業。住宅企業としての側面はもちろんですが、環境ビジネスや商業建築など多角的な事業を展開して、今や住宅業界で売上高トップ企業になっています。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

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何よりの特徴は、「外貼り断熱通気工法」を採用していることです。木造軸組住宅の世界では外断熱工法といった類似の仕組みが普及していますが、鉄骨プレハブ住宅の分野ではあまり採用例がなく、そういった意味でユニークなのです。これによる環境性能の向上も見逃せませんね。エネルギー性能も以前の商品と比べて随分と向上しました。

大和ハウスの住まいづくりの転換点となった「xevo」

「外貼り通気断熱工法」の模型。プレハブ工法の中でこのような仕組みを採り入れたのは珍しく、他社との差別ポイントになっている(クリックすると拡大します)

「外貼り通気断熱工法」の模型。プレハブ工法の中でこのような仕組みを採り入れたのは珍しく、他社との差別ポイントになっている(クリックすると拡大します)

ただ、外貼り断熱とそれ以外(内断熱というのでしょうか…)の違いや優位性については私自身良く分かりませんから言及しません。しかし大和ハウスにとって、「xevo」シリーズの投入が住まいづくりにおいて一大転換点になったことは間違いないでしょう。

「xevo」シリーズとそれ以前の違いを一言で言うと外貼り断熱というハード面のほかに、デザイン性や提案力といったソフトが大きく向上したことだと私は認識しています。それ以前が特に悪かったというわけではないのですが、明らかに外観デザインがスタイリッシュになり、提案の幅が広がりました。

冒頭に紹介したように、大和ハウスはプレハブ住宅の元祖「ミゼットハウス」(勉強部屋として開発)から様々なノウハウを蓄積してきた会社でしたから、住まいづくりの基本的な部分では定評のある会社でした。そうした基本的な部分に、新たな提案にチャレンジしているというのが、正直な感想です。

外部のアイデアを導入して提案力がレベルアップ

具体的には、収納の分野で近藤典子さんとのコラボレーション「暮らしごこちデザインプロジェクト」、子育て分野ではベネッセコーポレーションとのコラボレーション「ハッピーハグ」などが挙げられます。こうした外部との交流による提案力の充実と、「xevo」シリーズ商品が持つ設計・デザイン力がミックスされるようになりました。

鈴木エドワード氏との共同開発による「xevo EDDI」の実棟。鈴木氏のデザインと大和ハウスの品質・性能が合体したハイレベルな商品だ

鈴木エドワード氏との共同開発による「xevo EDDI」の実棟。鈴木氏のデザインと大和ハウスの品質・性能が合体したハイレベルな商品だ

最も象徴的なのが、建築家・鈴木エドワード氏とのコラボレーションによる「xevo EDDI(ジーヴォ エディ)」。建物の大きさや形状が限定された企画型住宅ですが、「xevo」シリーズの性能の高さと、鈴木氏のデザイン性、企画型のコストパフォーマンスを併せ持った完成度の高い商品となっています。

ここで、「提案力」ということについて少し話を付け加えると、今のトレンドでは建物の性能より、私たちが新しい住宅でどんな暮らし方をするのかということの方が重視されています。ですから、大和ハウスは前述したような提案力強化のための様々なアプローチをしているわけです。

それから、企画型の話が出てきましたから念のために指摘すると、「xevo」シリーズは基本的に自由設計。その中に「xevo EDDI」のような企画型タイプがあると考えてください。これは他のハウスメーカーにも同じようなことが言えます。
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