政治家や芸能人などのように「話す」ことが商売の人もいますが、ビジネスパーソンにとっては、書かないで何かを成す、というよりも、買いて何かを成す、ということのほうが多いでしょう。
情報を集め、他者にはない切り口でアイデアを引き出し、説得力のある論理と表現で語り、ぐっとくる事例で読み手の腹に落ちるように書く。これはあらゆるビジネスパーソンにとって必須のスキルではないでしょうか。
そこで、サラリーマンであっても、本の執筆を副業にすることによって、文章トレーニングと同時に、経験をお金に変えることができます。
出版を実現させる方法については、以前のコラム「出版してブレイクする方法」に書きましたが、日常の習慣をを変革する効果があります。
本の読み方、書店の楽しみ方が変わる
そして、本を書くということを意識すると、読者としての立場だったときには気づかなかった楽しみや意味を見出すことができます。
まず書店に行くと、自分の中の企画脳が立ち上がります。
私の場合は、読みたい本を探すだけでなく、新しい企画のヒラメキを得るために書店に行きます。本好きな人にも共通かもしれませんが、女性がウィンドウショッピングに行くような感覚で、とても楽しいのです。テーマを決めて企画書に落としているときは、営業脳が立ち上がります。つまり、本を書く前に売ることを想定する。どういうコンセプトの本だから、どの書棚に置いてもらえるか。
都市部のバリバリビジネスマン向けか、あるいはTSUTAYAや文教堂など全国の書店チェーンで売れる若年層向けか、などを考えます。
執筆脳は、書く集中力。私の場合は意識して切り替えないと、なかなか筆(キーボード)が進まない傾向があります。そこで、金曜の夜などに、「明日は原稿を書くぞ」と決意すると、翌朝から執筆モード全開になります。
土曜の朝、シャワーを浴びている最中から言葉が浮かんでくるので、そのモードのまま近くのカフェかファミレスに入り、ノンストップで4時間くらい書きます。「決意」というのは、自分をのせるのに効果があるようです。
書いた原稿を紙にプリントアウトすると、こんどは編集脳が立ち上がります。ここで読者目線になって、徹底的にツッコミを入れながら推敲していきます。
書いているときはどうしても独りよがりの文章になりがちですが、いったん紙にすることで、文字が自分を離れ、客観的に読むことができるようになります。
こんなふうに、本を書く行為は、企画づくりは右脳領域、執筆は左脳領域という、両脳を使っている感覚があり、ビジネスのアンテナを広げることができます。
こういうメリットが印税収入とともに得られるため、副業としては大変おすすめだと思っています。