お金を借りる/知っておきたい、お金を借りる最新事情

一時は廃止になりかけた「年金担保ローン」って何?(2ページ目)

珍しいローンの1つとして「年金担保ローン」というものがあります。年金受給者が将来受け取る年金を担保にお金を借りられるこのローン、趣旨以外の目的で使われることも多く、生活を困窮させるものとして、2010年には事業仕分けにより廃止判定となりました(その後、廃止検討時期を2016年に見送り)。年金受給者は、万が一お金がいるようになったときどうしたらよいのでしょうか?

横山 光昭

執筆者:横山 光昭

お金を貯める体質改善ノートガイド

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公的に年金受給者を助けてくれるすべは無い?

民間だけではなく、公的にお金面を助けてくれる制度もあります。上手に利用して、みんな幸せであってほしい。

民間だけではなく、公的にお金面を助けてくれる制度もあります。上手に利用して、みんな幸せであってほしい。

公的な貸付を受ける場として、生活福祉資金貸付制度というものがあります。各都道府県、市町村の社会福祉協議会が取り扱っています。

昨年の秋に制度の見直しと拡充がなされ、年金受給者も利用しやすくなっているようです。そもそもの目的が生活を助けるためのもので、金利も2%以下のことが多く、それも保証人の有無で異なります。

どうしてもお金に困る場合は、相談、検討してもいいでしょう。ですが、ここも借金返済のためにはお金を貸してはくれません。返済計画をきちんと立てて利用することが必要です。また、どうしてもお金を借りないと借金が返せない、という問題に直面しているのであれば、年代関係なく法律家など借金解決の専門家に相談しましょう。

高齢者と借金。幸せな生活を取り戻して。

年金担保ローンについては、2010年2月に(1)融資申し込み時に利用目的を記入させる、(2)年金全額を返済に回す仕組みを廃止、(3)返済額を途中で変更できるようにする、(4)返済回数を増やし1回の返済額を減らす、などの改善策を講じていましたが、根本的な解決にはならず、2010年4月に廃止判定となりました。

廃止になった経緯から、多重債務問題は収入が少なくなる高齢者にも及んでいることがよくわかります。

2011年12月、年金受給額の半額までが一回の返済額の上限残り半分は生活費として支給するなど返済方法の決まりが変わりました。借入上限なども改正され、生活を保護する内容になっています。詳細を知りたい方は独立行政法人福祉医療機構のページをご覧ください。

【参考】
独立法人行政法人福祉医療機構(WAM)>年金担保貸付事業・労災年金担保貸付事業

高齢者はいつの時代でも、その時々の生活や技術、文化を作り上げてくれた尊敬すべき方々です。人生の先輩たちの努力や工夫があって今があると思っています。ですから仕事の現役が終わった後は、できるだけ安心で幸せな暮らしを送ってほしいと思います。

そのためにも遊興費など目先の楽しみのためにお金を借りるような癖は、仕事の現役の時期からつけないようにしたいですし、お金を借りていても、年金受給の年齢までは残さないようにしたいものです。
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