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住まいの熱中症予防法(3ページ目)

猛暑のこの夏、多発する「住まい内」での熱中症の症例、死亡事例。いったい炎天下でもない家の中で、何に気をつければ熱中症を予防できるのでしょうか。住環境整備という観点から考えてみました。

藤原 千秋

執筆者:藤原 千秋

家事・掃除・子育てガイド

エアコン設定温度は30度以上でもよい、ギリギリまで冷房設定温度を上げてみる

冷房をかけた状態で寝るとむしろ体調を崩してしまうなど、あえてエアコンを使用しないで暑さを凌ぎたいと強く希望する人もおられることかと思います。そういった方に、ぜひ試して欲しいのが「ギリギリまで冷房設定温度を上げてみる」ことです。

一般的に、夏のエアコン稼働時の冷房設定温度として高めの「28度」にすることが推奨されていますが、屋外の気温があまりにも高かったり、また体調によってはこれでも「寒い・寒過ぎる」と感じることがあります。特に冷えやすい女性や冷房病になりやすいタイプの方、高齢者の方に「高め設定の28度でも寒いのだから冷房は嫌、切りたい」と言う方が多いようですが、もしそうであれば一度29度、30度、31度といった設定で稼働させてみていただきたいのです。

すると、ある気温では「暑くもなく寒くもない」と感じられることに気づくと思います。稼働前に比べてそれでも冷えているなら、室内の相対湿度は下がっている事でしょう。そうしたら、ぜひすぐにその時点での客観的数値データを押さえておきましょう。数値を測るのは、平素使っているようなお部屋の温湿度計の数字で構いません。

例えばガイドの場合は、エアコンの設定温度を「29度」にして稼働させたときの室温「28.5度」湿度「45パーセント」で程よく快適に感じることが何度か試すうちに分かりました。この気温、湿度であれば集中して仕事をすることや睡眠に影響なく、また足元が冷えて具合が悪くなる事も避けられるようです。

また、もし同居の家族などが「これでは暑い」と言う場合には、扇風機の併用をお勧めします。風が身体に当たることで、体感的には2度ほど気温が下がったように感じられるようです。

エコロジーより命が大事

近年省エネ意識は一般に高まり続けています。導入時には苦情も多かったようですが「クールビズ」はすっかり定着しましたし、「緑のカーテン」や「打ち水」などの導入によって、なるべくエアコンに依存しない、エコロジーな夏のすごし方が広く提唱されています。

けれどもそういった草の根の努力を打ち消すような、太平洋高気圧の強大化など自然の猛威や影響ももちろん大いにあるわけです。どうか、くれぐれも「エコ」を優先して「命」を無駄にするようなことのないように。心や身体を休めるための我が家で、みすみす命を落とすことのないように……。

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