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住まいの熱中症予防法(2ページ目)

猛暑のこの夏、多発する「住まい内」での熱中症の症例、死亡事例。いったい炎天下でもない家の中で、何に気をつければ熱中症を予防できるのでしょうか。住環境整備という観点から考えてみました。

藤原 千秋

執筆者:藤原 千秋

家事・掃除・子育てガイド

早朝の「北の風」を通して、屋内の気温と湿度を下げる

「熱中症」は、気温の高さのみならず「高湿度」であることが発症に大きく関わる症状です。まず、お住まいの地域の気象情報で、風向きについて参照してみて下さい。おそらく多くの地域では早朝から午前にかけてこの時季、風向きは「北の風」つまり北風になっていることと思います。

この朝の風は、夜気で冷やされ夜露が落ちた後であり、一日のうちで最も冷たく、また(雨の朝でない限り)乾燥もしています。ぜひ一日のはじめに、この天然のクーラーをふんだんに住まい内に導き入れて下さい。ちなみに通風のためには、窓を1箇所だけ開けても何の意味もありません。必ず2箇所以上開け、風の流れを確認することです。

南向き、西向きの窓はレース、ドレープ両方のカーテンを閉めてからエアコン稼働する

ゴーヤやアサガオなどで作る「緑のカーテン」は、直射日光のみならずベランダの輻射熱も防ぐので屋内をぐっと涼しくします

ゴーヤやアサガオなどで作る「緑のカーテン」は、直射日光のみならずベランダの輻射熱も防ぐので屋内をぐっと涼しくします

真夏は太陽の南中高度が高く、南向きの部屋の窓であっても太陽光が直接部屋の中に差し込むことは少ないかも知れません。けれども日差しに曝された地面やテラス、バルコニーに蓄熱された輻射熱が、閉めた窓ガラスを熱し、知らず室内の気温を上げてしまいがちなのです。

あればよしず、すだれ、緑のカーテン(ゴーヤや朝顔の蔓と葉)などで窓辺をプロテクトしたうえで、なければ普段使いのカーテンをしっかり閉めて、エアコン稼働時には余計な熱気を住まいに入れないようにしましょう。特に西向きの部屋は、午前のうち、日が当たり始める前にカーテンを引いてしまいましょう。

できるだけ住まいの最上階では就寝しないようにする

二階建ての二階、三階建ての三階、ロフト、二段ベッドの上段、といった気温が高くなりがちな「屋根」「天井」に近いエリアで就寝するのを避け、なるべく低い位置で休めるように工夫してみましょう。

住まい内における「リビング」「寝室」といった区分けは暫定的なものに過ぎません。涼めるようであれば廊下やキッチンのような場所であっても我が家なのですから、眠っても別に構わないのです。柔軟に、快適な寝場所を模索してみてください。

「屋内にいて、冷房をかけていない」時には、窓を閉め切らないようにする

日差しのあるとき、通風の滞った夏の室内は外気よりもさらに10度近く気温が高くなるというデータがあります。防犯の意図などで、なるべく窓を開けたくないという気持ちも分かりますが、冷房をかけているならともかく、かけずに窓を閉め切るのは自殺行為といって過言ではないと思います。

在宅している限りは、冷房をかけていないのであれば2箇所以上の窓を開け、通風をしっかり行うことで外気温との差は2度ほどにまで縮小されます。

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