国民年金は、日本国内に住む20歳以上が全員60歳まで加入し、65歳から年金が支給されるというものです。しかし、厚生年金は加入・支給ともにちょっと複雑。今回は、厚生年金の「加入年齢」と「支給開始年齢」について考えていきたいと思います。

入社=加入、厚生年金の加入年齢に下限はない 

厚生年金の加入条件として、正社員の4分の3以上の勤務というものがある。パートタイマーから正社員になった時に加入となることもある。

厚生年金の加入条件として、正社員の4分の3以上の勤務というものがある。パートタイマーから正社員になった時に加入する場合もある

冒頭でも触れましたが、国民年金の加入年齢は20歳。一方、厚生年金は加入についての年齢の下限がありません。

厚生年金は会社員の年金制度ですので、会社に入社した日が加入日ということになります。したがって、加入年齢が20歳未満となることも当然あり得ます。

あえて加入年齢の「下限」を言うなら、中学卒業してすぐに就職する「15歳」ということになりますね。

ちなみに、15歳で厚生年金に加入した場合でも、国民年金の計算は20歳からしかカウントされません。

脱退=退職、厚生年金の加入年齢の上限はある

「加入期間=会社員である期間」となりますので、会社を退職する際に厚生年金からも脱退することになります。ただし加入とは異なり、脱退については「上限の年齢」が70歳と定められています。

会社に勤務し続けていても、70歳になったとき(正式には70歳の誕生日の前日)に自動的に脱退することになります。

例外的に、70歳の時点で老齢年金を受ける資格を満たせていない場合は、満たせるまでの間「任意加入」することができます。

受給開始は原則65歳だが、タイムサービスの年金を受け取れる人も

一方、厚生年金を受け取る年齢についてはどうでしょうか。

国民年金は繰り上げ、繰り下げという制度があるものの、受給開始年齢は65歳と決まっています。厚生年金についても、現在の法律では国民年金と同じ「65歳」となっていますが、60歳から65歳まで「期間限定タイムサービス」として暫定的に年金を受け取れる人がいます。

このタイムサービスの年金は「報酬比例部分」と「定額部分」の2階建てになっており、昭和16年4月1日以前生まれの男性、女性が昭和21年4月1日以前生まれの女性については、1階部分と2階部分の受給開始年齢が「60歳」となります。

それ以降の生年月日の人については、以下の図のとおり、受給開始年齢が徐々に繰り下げられます。
男性より女性の方が5年遅れで受給開始年齢がずれ込んでいく

1階部分が「定額部分」、2階部分が「報酬比例部分」


今年(平成25年)度に60歳になる人(昭和28年4月2日~昭和29年4月1日生まれ)について見てみると、女性は、1階部分の「定額部分」の支給が64歳から1年間、2階部分のみ60歳からとなります(図の下から2つめを参照)。

では男性は? 上の図を見ると、該当する生年月日がありませんね。

今の40歳代からは、タイムサービスの年金はなく受給開始は65歳から

さらに生年月日が遅くなるにしたがって、2階部分の受給開始年齢も繰り下げられていきます。今年度に60歳になる男性(昭和28年4月2日~昭和29年4月1日生まれ)は、61歳支給となっていますね(図の一番上を参照)。
タイムサービスの年金を受け取るためには、加入期間が1年以上必要

タイムサービスの年金を受け取るためには、加入期間が1年以上必要

最終的に、
  • 男性 昭和36年4月2日以降生まれ
  • 女性 昭和41年4月2日以降生まれ
の人については、タイムサービスの年金は全く支給されません。

リタイア後の収支に影響を与えることですので、自分が何歳から厚生年金を受け取れるのかついてはしっかり確認しておきたいところです。

タイムサービスの年金については、取り扱いの違いや誤解も多いので、以下の記事もぜひ参考にしてください。

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