ソニー教育財団からのコメント
ソニー教育財団 幼児教育担当主任の高木恭子先生にお話をうかがいました。上野
「この本の内容を紹介をしていただけますか」
高木先生
「乳幼児期に豊かな感性や創造性の芽生えを育み『科学する心を育てる』ことは、“人としての土台” となる脳と心をしっかりと育てることに結びつきます。その意義や大切さを、脳科学者の立場から小泉英明先生、教育者の立場から秋田喜代美先生、エンジニアの立場から山田敏之先生が、保育実践を通して述べられています。
そして、当プログラムに入選した論文の中からピックアップした20の事例を通して、具体的な保育のポイントや保護者へのアドバイスもご紹介しています。」
上野
「家庭で幼児の科学する心を育むポイントを教えてください」
高木先生
「子どもの『なぜ?どうして?』など興味欲求・探究心に応えることは、昔から子育ての難しさの一つです。今は、それに応える情報が多く、解消しやすいように思われます。しかしその一方で、様々な情報やリアルで現実的な刺激が多く、疑似体験や知識が先行し、子どもたちの心が動くような新鮮さを感じる体験など、実体験が乏しい実態があります。
子どもを取り巻く環境が、子どもたちの心や脳を育む上で厳しい状況にある今、家庭でも豊かな体験ができるように、保護者も意識して子どもと一緒に心や体を動かして、生活することが大切になっています。」
上野
「最後に、みなさんへメッセージをお願いします。」
高木先生
「少子化や核家族化、そして自然環境の変化などに伴い、乳幼児の体験を豊かにする環境が少なくなっています。しかし、だからこそ子どもたちの健やかな成長のために尽くされている方々の熱心な取り組みや情報は大変貴重です。
『子どもたちの健やかな育ちのために何ができるのか』『子どもたちとどのように向き合うか』『子どもたちの思いにどのように応えるか』という課題を解決するエキスが、この本には詰まっています。」
「科学する心を育てる」という、一見、難しそうなタイトルがついていますが、3部構成で、とても分かりやすく解説されています。
本書の中で、小柴先生もおっしゃられているように、子ども達が科学を好きになるためには、まず、私達大人が科学を好きになることが重要です。そして、私達大人は、素直に感じる子どもの心から多くのことを学ぶことができるという事も改めて分かりました。
幼児期において「科学する心を育てる」ことの重要性を理解し、毎日の遊びや生活の中での経験を通して、「科学する心」を親子で育んでいってもらいたいと思います。
【関連サイト】
「幼児期に育つ科学する心」書籍紹介
「ソニー教育財団」
「ソニー幼児教育支援プログラム」
「ソニーの次世代育成」