灘中の国語の入試問題には、クイズのような遊び心があり、幼稚園児が受験する小学校入試問題に似たところがあると言えるのです。
例えば、2004年1月29日に行われた今年の国語の入試問題を覗いてみましょう。
■■ 問1 ■■
次のAからEのそれぞれ四つの俳句のうち、ひとつだけ他とは季節の異なるものがあります。その句はどれか、記号で答えなさい。また、残りの三句に共通する季節を漢字一字で答えなさい。
(A)
ア 赤い椿白い椿と落ちにけり
イ 一枚の餅のごとくに雪残る
ウ 山開き雪光居る遠き谷
エ 雪解けや深山曇りを鳴くからす
(B)
ア 水にまだ何も泳がず猫柳
イ 水澄みて虫も居らざる刈り田かな
ウ 鳥渡る群ればらばらにかつ散らず
エ しなやかに鹿下りてくる霧の山
(C)
ア うららかや松を離るる鳶(とび)の笛
イ 白鳥の列なしてゆく美しき
ウ 鴉(からす)去りいよいよ白き桜かな
エ 子の描く太陽の顔チューリップ
(D)
ア 向き向きに花粉こぼして卓の百合
イ 陽が恋し吹かれ集まるあめんぼう
ウ 蓮の花ゆらりとゆれて散りにけり
エ のどかさに寝てしまいけり草の上
(E)
ア 白菜のかがやく量をもてあます
イ 暖炉燃ゆ我にささやくごとく燃ゆ
ウ 菊人形莟ばかりの青ごろも
エ 十年の苦労毛の無き毛布かな
この問題は、以前ご紹介した小学校入試の「仲間はずれ」の季節の問題そのものですね。
答えは「アサガオ」です。理由はアサガオは夏の花で、その他の花は、春の花だからです。季節の問題は、このように、自然に関するものだけでなく、お正月、クリスマス、おひなさま、七夕など行事に関するものや風鈴、蚊取り線香、手袋など季節によって使用するものなども考えられます。
灘中の入試問題の解答は、最後のページです。