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ピーターラビット100周年~絵本誕生秘話(2ページ目)

うさぎのピーターやベンジャミンが登場するイギリスの湖水地方を舞台にした「ピーターラビットのおはなし」誕生のエピソードと100周年を記念して出版される新版のご紹介です。

上野 緑子

執筆者:上野 緑子

幼児教育ガイド

イングランド北西部
湖水地方
1902年、イギリスのフレデリック・ウォーン社から「The Tale of Peter Rabbit TMが出版されました。ポターのこだわりから、子どもの手でも持てる小さなサイズ、そして、手ごろな価格の絵本が誕生したのです。

ポターは39歳のとき、湖水地方のニア・ソーリー村にヒルトップ農場を購入し、そこで暮らし始めます。


福音館書店
ビアトリクス・ポター作・絵
いしいももこ訳
そして、ニア・ソーリー村を舞台にしたピーターラビットTM の絵本が次々に出版されました。

村の住人をモデルにし、動物の姿に代えて絵本に登場させました。村の住人たちは、次は、村のどの風景が出るのか、誰がモデルになるのかと、新作が出るのを楽しみにしていたということです。


その後、湖水地方の自然を守るため、ナショナルトラストという環境保全団体が設立されました。それは、寄付金を集め、美しい自然や景観を永久に守るためにその所有者となって管理をする団体です。ポターも、絵本の印税で土地を買い取り、ナショナルトラストにその維持管理を委ねました。

ボランティアの方々の努力もあり、湖水地方の自然は、100年経った今でも当時のままの姿で残されています。その地を訪れると、ピーターラビットの絵本に出てきたそのままの風景をいたるところで、発見することができます。

 湖水地方 ニア・ソーリー村 

▼ 画像提供:nk">「いぎりす散歩道」写真館






「あひるのジマイマのおはなし」
の挿絵に出ているHill Top
(ポターが住んでいたところ)

「こねこのトムのおはなし」
の挿絵に出ている
Tower Bank Arms


こうして生まれた「ピーターラビットTM の絵本」の絵は、淡い色合いで、温かみがあり、かわいくて、しかも上品なのに、お話は、ユーモラスで心温まるものです。そして、100年前の湖水地方の生活が目の前に広がっていくようなリアルさもあります。

親子で楽しめる絵本です。絵は知っているけれど、まだ、絵本を読んだことがないという方、一度、手にとってご覧いただけたらと思います。

あのよく見かける絵は、・・・
おかあさんがピーターたちに「マグレガーさんとこのはたけだけには、いっちゃいけませんよ。」と注意している場面だったのか・・・だとか、

ベンジャミンがマグレガーさんのはたけで、おばさんへのおみやげにするために、たまねぎを集めているところだったのか・・・と、親しんできた絵のストーリーがわかり、とても楽しめます。

次のページでは、『ピーターラビットTM のおはなし』出版100年を記念して出版される新版について、福音館書店の宣伝企画課の高橋様にお話を伺っています。


1ページ : ピーターラビットTM 誕生
3ページ : 100周年記念新版出版のご紹介
4ページ : 100周年記念新版出版リスト 第1集~第4集
5ページ : 100周年記念新版出版リスト 第5集~第8集
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