渋谷から10分
鉄道、車いずれにも便利な立地
東急田園都市線用賀駅。駅構内から隣接する用賀ビジネススクエアへつながっている。階段の反対側にはバスターミナルがある
東急田園都市線各駅停車利用で11分、東京をあまり知らない人でも東名高速の東京インターのある街といえばご存知でしょう、それが用賀です。お隣駅二子玉川ほど全国的には有名ではありませんが、地元では都立砧公園、馬事公苑といった広大な公園に近く、きれいに区画整理された街並みの落ち着いた住宅街として知られる街です。大山道(赤坂から伊勢原市にある大山江阿夫利神社に向かう街道)の追分(分岐点)にあたる場所だったため、江戸自体には年間20万人とも言われた大山詣での人々の往来で賑わったそうで、今も街中には歴史を感じさせてくれる寺社なども残されています。
いらか道手前から見た用賀ビジネススクエアのタワー棟。用賀周辺ではひときわ目立つ建物だ
さて、その用賀で駅を出るとまず目に入るのが駅の脇に聳え立つ28階建の超高層ビルを軸とした商業・業務施設、用賀ビジネススクエアです。低層階には飲食店などの商業施設もありますが、基本はオフィスビル。渋谷からは10分ちょっととはいえ、駅前にいきなりオフィスビルというのは意外かもしれませんが、用賀は鉄道に加え、環状八号線、国道246号、そして東名高速、第三京浜のインターにも近いなど、足回りでは東急田園都市線の駅の中でもトップクラスの利便性を誇る場所なのです。実際、駅近くだけでなく、東名高速のインター近くの環状八号線沿いなどにも大手企業のビルなどが並んでおり、利便性の高さを実感させてくれます。
がんばる商店街は
新しい試みにチャレンジ中
左側に見えているのは創業150年近くという酒屋さん。新旧の入り混じる、用賀らしい風景だ
駅周辺にはスーパーやドラッグストア、地元の個人商店などが入り混じる商店街が広がります。中心になっているのは北口~東口から北西にかけてのエリアで、歩いていると野菜中心のお惣菜屋さん、オリジナルバッグのアトリエなど今っぽい店があるかと思えば、かんざしの専門店や創業150年近くという酒屋さんがあったりと古いだけ、新しいだけではない活気を感じます。
新鮮な海の幸に恵まれた陸前高田の産物を扱うアンテナショップ「田舎のごっつお」。街の会話の糸口にもなっている
実は用賀の商店街「用賀商店街振興組合」は平成21年に「用賀まちづくり株式会社」を設立した、街作りのジャンルでは今注目されている街のひとつ。平成21年11月には商店街の空きスペースの有効活用、街の話題作りなどのため、岩手県陸前高田市のアンテナショップ「田舎のごっつお」を誘致、続いて22年1月にはハロー*ようがなる情報発信&多目的スペースを設置するなど、あれこれ新しい取り組みをしている街なのです。
街の情報発信基地ハロー*ようが。トイレを借りたり、お茶をいただいたりのほか、ランチの営業も
最近では駒澤大学経済学部の学生さんたちもこの活動に参加、新聞を出したり、インターネットラジオ放送を行ったりしており、若いアイディアで商店街を盛り上げてくれそう。商店街が元気な街は住みやすいはずですから、今後の活動にも期待したいところです。
●今回取り上げたエリアの概念図
用賀と周辺にある幹線道路、公園などとの位置関係を表した概念図。下線部は記事内に出てくる町名。距離その他は正確ではありません
続いて緑の濃い住宅街の様子を見て行きましょう。