こんなマンションじゃ資産価値が下がる!
都心の一等地という土地柄、資産としての価値を重視して中古マンションを購入したS氏。実際にそのマンションに居住してから気になりだしたのが共有部分のマナーの乱れでした。
内廊下には、どうやってオートロックをすり抜けて運ばれているのかわからない宅配生鮮食品の入った発砲スチロールの箱の山、自転車、傘立てなどなど。廊下のカーペットも汚れがひどい状況でした。S氏がそのなかでも特に気になったのがベビーカーや三輪車でした。
S氏は管理会社にすぐに連絡し、そもそも避難通路である廊下には物を置くべきではないので、住民に指導するよう連絡しました。母の悩み、ベビーカーの開閉には事故が多い
母としては子どもの事故はなるべく避けたい、でも他の住人に迷惑をかけるわけにもいかないのが悩み
連絡を受けた管理会社は、早速マンションの理事会で話し合うことにしました。そのなかで出てきた母の立場の意見からは、ちょっとつらい母親側の事情も垣間見え、理事たちもなんともやりきれない気持ちになったそうです。
某海外有名ブランドのベビーカーの事故でも話題になりましたが、ベビーカーの開閉時には、子どもが指を切断する事故が起こっています。過去には国内の有名メーカーのベビーカーでも事故が多発しました。
要するに、ベビーカーの開閉は子どもにとって実は大変危険なもので、できれば子どものいるところで開閉はしたくなく、母親たちは子どもが寝た後などに廊下に戻ってたたみ、玄関に収納したりしているそうなのです。なので、長時間ベビーカーが置いたままになっていることもあるそうなのです。本来なら住戸内の玄関に置いておきたいところですが、とくに都心のマンションなどでは、部屋をなるべく大きくとるために、玄関などは最低限の広さに抑えられていることが多く、ベビーカーをたたまずにおいたら人が通れなくなります。これでは逆に災難時に危険にさらされてしまいます。
母親たちの訴えとしては、ベビーカーを使う期間は限られているのと、ごく短時間の放置であること、避難の邪魔にならないことを意識した置き方など工夫するので、置かせて欲しいとの要望でした。
とはいえ、S氏としては、世帯が入れ替わるとまた同じ状況が発生し、それでは永遠に廊下からベビーカーが消えることはなくなってしまうということを危惧し、それでも撤去の要望をしました。
さて、最終的にどうなったかというと、いまだ結論はでていないそうです。
都心のDINKS用マンションでは、数年するとDINKSもファミリーにも居心地が悪くなってしまうというのが悲しいかな、実態のようです。