年金

ライフプランと老後資金準備(1)長期投資と複利の効果(2ページ目)

老後資金はだれでもいつか必要な時期を迎える三大資金です。必要な時期が「遠い将来」と感じるかもしれませんが、将来までの時間を味方につけることで効率的な準備を行うことも可能です。時間を味方にした老後資金の準備方法をご案内します。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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複利の効果を実感しよう

時間をかけることで発揮する複利の効果。たんりとひかくしてみると…

時間をかけることで発揮する複利の効果。単利と比較してみると…

定期預金など一定期間ごとに利息の支払いが保障されている金融商品は、利息の計算方法により複利運用と単利運用に分類することができます。複利運用の商品は運用期間中に利息が支払われると、満期までの間利息を含めて元本を運用していきます。これに対して、単利商品は元本のみを利息計算の対象とするので、満期までの間同じ金額を利息が支払われます。
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単利運用の代表的な商品は個人向け国債などの国債です。国債は額面金額に対して半年に1回同じ金額の利息が支払われます。定期預金や積立定期預金は一部の商品を除いてほとんどが複利運用の商品です。定期的に計算される利息は満期まで元本とともに運用され、満期時にまとめて元本とともに支払われます。

それでは、同じ利息・同じ元本で単利運用と複利運用でどのくらい差が生じるのか事例で比べてみましょう。

【事例1】
500万円を年利1.5%で定期預金に預け入れる。利息の計算は年1回期末に行い、預入期間は30年とする(ただし、利息に対する税金は考慮しない)。

30年後の運用結果は以下のグラフのようになります。
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運用開始当初は、あまり差がありませんが、運用期間が長くなるにつれ差が広がり、満期時には約55万円の差が生じます。定期預金は運用中手数料もかから ず、預けておくだけで複利の効果を利用することができます。

次に、運用する元本を積立で準備する場合の事例をみてみましょう。

【事例2】
毎年12万円を年利1.5%で20年間積立する。利息の計算は年1回期末に行い、利息に対する税金は考慮しない。

20年後の運用結果は、以下のグラフのようになります。
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積立で運用した場合は20年間で約38万円の差が生じます。それでは、事例2で積立した元本を、積立て終了後、さらに運用を続けたらどうなるかみてみましょう。

【事例3】
毎年12万円を年利1.5%で20年間積立し、その後10年間は年利1.5%で運用を続ける。利息の計算は年1回期末に行い、利息に対する税金は考慮しない。

30年後の運用結果は、以下のグラフのようになります。
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積み立てた元本の運用を続けると、積立終了後の10年間でさらに約9万円の差が生じます。積立て時に生じた差額と合わせると、約47万円の差が生じています。長期投資を行うことで、複利の効果はより高いものになることがわかります。

リスクの低い定期預金は、現在金利の低いものが多くなっています。少しでも運用の効果を上げるには、時間を味方につけ、複利の効果を利用することが効率的な運用といえるでしょう。また、事例3のように積立てで準備した老後資金を、積立終了後、一括運用に切り替える場合、預入額が高額になることで高い金利が適用されるメリットを期待することもできるでしょう。金利が高くなると、複利の効果はより大きくなります。

早めに準備を始めれば、リスク・リターンの低い定期預金でも効率的に運用を行うことが可能になるかもしれません。「老後資金?まだまだ先のこと…」と思いがちですが、時間を味方にするために、少しづつ準備を始めておきましょう。

※この記事は、掲載当初協賛を受けて制作したものです。

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