維持保全を計画通りに行わない場合、認定は取り消されることがある

維持保全を怠ると、認定が取り消される可能性がある。

維持保全を怠ると、認定が取り消される可能性がある。

せっかく手に入れた長期優良住宅も、その認定が取り消されれば法的には一般住宅と同じ扱いになってしまいます。認定計画を変更する場合、あるいは相続や売買によって認定計画実施者が変更(地位の承継)となる場合など、細心の注意が必要となります。

そうならないためにも、ここでは長期優良住宅普及促進法の条文を確認しておきましょう。
 


◆第8条(抜粋) ~認定を受けた長期優良住宅建築等計画の変更~


認定を受けた者は、当該認定を受けた長期優良住宅建築等計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く)をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、所管行政庁の認定を受けなければならない。

⇒⇒ 変更後の住宅が認定基準に適合しているかどうか、確認・認定を受ける必要があります。勝手な変更は認めない、という意味です。


◆第10条(抜粋) ~地位の承継~


次に掲げる者は所管行政庁の承認を受けた後、計画の認定を受けた者(認定計画実施者)が有していた計画の認定に基づく地位を承継することができる。

  1. 認定計画実施者の一般承継人(相続人)
  2. 認定計画実施者から、認定長期優良住宅建築等計画に基づき建築および維持保全が行われた住宅の所有権、その他、当該認定長期優良住宅の建築および維持保全に必要な権原を取得した人(買受人)


⇒⇒ 相続や売買などにより認定計画実施者の地位を引き継ぐ場合には、所管行政庁の承認が必要になります。計画的な維持管理を行う主体者があいまいにならないよう、監理・監督する狙いがあります。


◆第11条(抜粋) ~記録の作成および保存~


認定計画実施者は、国土交通省令で定めるところにより、認定長期優良住宅の建築および維持保全の状況に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。

⇒⇒ この点が、長期優良住宅の最大の目玉であると同時に最大の障壁でもあります。所有者には住宅履歴情報の作成・保存が義務付けられるため、事あるごとにこまめに情報を蓄積していかなければなりません。かなりの重労働になることが予想されます。


◆第12条  ~報告の徴収~

所管行政庁は、認定計画実施者に対し、認定長期優良住宅の建築及び維持保全の状況について報告を求めることができる。

⇒⇒ 工事完了の報告など、維持保全の状況について所管行政庁から報告を求められることがあります。その際、求めに応じなかったり虚偽の報告をすると、30万円以下の罰金に処せられることがあります。蓄積した住宅履歴情報を上手に活用し、正確に報告することが求められます。

認定が取り消されると、「住宅ローン減税」は一般住宅扱いに縮減!

そして、第14条には特に注意が必要となります。


◆第14条(抜粋) ~計画の認定の取消し~


所管行政庁は、次に掲げる場合には計画の認定を取り消すことができる。

  1. 維持保全を行わない認定計画実施者が所管行政庁の改善命令に従わないとき。
  2. 認定計画実施者から認定長期優良住宅建築等計画に基づく住宅の建築または維持保全を取りやめる旨の申し出があったとき。

その際、所管行政庁は前項の規定により計画の認定を取り消したときは、速やかに、その旨を当該認定計画実施者であった者(当該認定長期優良住宅建築等計画にその名称または氏名が記載されていた管理組合等を含む)に通知しなければならない。


⇒⇒ 「もし認定が取り消された場合、一般住宅の扱いになるため、 取り消し後の住宅ローン減税は一般住宅での税率に縮減されます」(国土交通省住宅局住宅生産課)。また、「長期優良住宅は新築のみが対象となるため、現在の法制下では再認定を受けることはできません」(同)。

建物そのものには長期耐用性が十分に備わっていても、税制上・契約上は「一般住宅扱い」となってしまいます。売却時に「認定長期優良住宅」と謳うこともできません。それだけに、くれぐれも『認定を受けたら、受けっ放し』にしないよう、履歴情報の蓄積、認定計画の実施に尽力することを忘れないでください。

 

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