まずは基本を押さえておこう
プリンタ・複合機を購入するにあたって、まずは基本的なスペックを知っておこう。これだけ押さえておけば、難しい製品カタログも理解しやすくなる。ざっとで構わないので確認しておこう。インクの種類や色の数
インクジェットプリンタには、「染料系」と「顔料系」の2種類のインクがある。染料系は水性絵の具のようににじみやすいが、色の重ね合わせが得意で色再現性が高い。顔料系は油絵の具のように紙に乗りやすいが、色の重ね合わせは苦手という特徴を持つ。インク色は7色、8色などと増えたこともあったが、最近ではインク滴の大きさを小さくすることでインク数を抑えるのが主流になっている。基本となるのは C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のカラー3色にブラックを合わせた4色だが、さすがに4色では心もとない。カラーとブラックを合わせて6色あれば十分といったところだろう。
染料系インクによって写真画質の高さを訴求するのがエプソン「Colorio」シリーズだ。ただし同社のシリーズの上位モデルは6色染料インクを採用しており、染料ブラックと顔料ブラックの「W黒(ダブクロ)」を採用するキヤノン「PIXUS」シリーズに比べて「普通紙印刷」に弱い。文書印刷などモノクロ印刷を多用するのであれば、圧倒的にPIXUSシリーズの方がおすすめだ。
実はあまり気にしなくていい? 印刷解像度(dpi)
「印刷解像度(dpi)」とは、1インチあたりどれだけのドットを表現できるかを表す数。4800×2400とか、5760×1440、9600×2400など、メーカーやモデルによってさまざまだ。数年前のモデルからdpi数はあまり変わっていないように思えるが、その割に画質は大幅に向上している。dpi数というのは一つの目安ではあるものの、あまり気にしても仕方がないスペックの一つと言える。ちなみにキヤノンPIXUSシリーズの上位モデルは9600×2400dpi、エプソンColorioシリーズは5760×1440dpi、ブラザー「MyMio」シリーズは6000×1200dpiとなっている。
給紙トレイ数・トレイ容量で使い勝手が変わる
使い勝手を考える上で非常に重要なのが、この給紙トレイ数やトレイ容量だ。給紙トレイが1つしかなければ、A4書類とL版写真を印刷するたびに紙を入れ替えなければならなくなることもある。エプソンColorioシリーズの上位モデルやブラザーMyMioシリーズは、設置スタイルを重視して前面2段給紙を採用しており、キヤノンPIXUSシリーズも2012年秋モデルでついに前面2段給紙を採用した。
前面給紙はスマートに設置できる上に紙の補給も楽で便利だが、厚めの紙に印刷する場合は紙が大きく反ってしまうこともあるので注意したい。そこでエプソンColorioシリーズは、新たに背面に手差し給紙トレイを搭載した。従来のような背面給紙トレイとは違って1枚ずつの手差し専用だが、厚紙や丸めたくない紙を印刷できるようになったのは大きな魅力だ。
印刷速度はA4版のスペックをチェック
どれだけきれいに印刷できるかというのは、プリンタにとって最も大きな差別化ポイントだが、もう一つ重要なのが「印刷速度」だろう。いくらきれいでも、待てど暮らせど終わらないのでは意味がない。特に注目したいのがA4版の印刷速度だ。ただし、L版写真の印刷速度しか仕様表に表示していないモデルも多い。L版印刷が速ければA4印刷もある程度速いはずなので、参考にするといいだろう。
ちなみに2012年秋モデルで比較してみると、キヤノン「PIXUS MG6330」がA4普通紙(カラー)で約10枚/分、A4普通紙(モノクロ)で約15枚/分。L判写真で約18秒。エプソン「Colorio EP-905A」がL判写真で約14秒。ブラザー「PRIVIO DCP-J4210N」がA4カラーで最高18枚/分、A4モノクロで最高20枚/分となっている。
プリンタ・複合機選びの2つのポイント
以上のことを基に、プリンタ・複合機選びのために、ポイントを2つにまとめた。それぞれの解説をもとに、自分に合ったプリンタ・複合機を見つけてほしい。1. 機能で選ぶ
画質や使い勝手など、機能によってプリンタ・複合機も千差万別。選ぶときの注意点は?
2. 目的で選ぶ
写真をきれいに印刷したい、年賀状を印刷したいなど、目的に合わせてプリンタを選んでみよう。
参考 プリンタ・複合機を店頭で選ぶときのコツ
プリンタ・複合機を買うなら、できれば店頭でプリントを確認したいところ。チャックポイントをまとめてみた。
プリンタ・複合機選びの2つのポイント:1. 機能で選ぶ>>