投資信託/投資信託(ファンド)の基礎を学ぼう

販売手数料、信託報酬…意外とかかる投資信託のコスト(2ページ目)

同時に30万円を別々の投資信託でスタート。それが全く同じ運用成績にも関わらず、10年後には残高に4万円の差が!ナゼ?そのカラクリは販売手数料と信託報酬にありました。

執筆者:牧野 なな子

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保有中の運用コストは1~2%

「信託報酬」とは、運用や管理に対する費用や報酬として、投資信託の残高から差し引かれるコストのこと。販売会社・運用会社・信託銀行の3社に支払われる手間賃と考えればいいでしょう。その比率は投資信託によって異なりますが、年1~2%が一般的。株や債券に直接投資する時は売買手数料だけで済みますが、投資信託では保有期間中ずっと信託報酬という手数料を間接的に支払っていくことになります。

では、この信託報酬、実際にはいくらぐらいになるのでしょうか?
AファンドとCファンド、手数料と信託報酬の合計を比較するとその差は10年間で4万円!【参照】ファンドバンクのコスト指標 コスト計算機 ゼロリターン元本から信託報酬を試算


信託報酬の違いだけにフォーカスするため、ノーロードの投資信託に30万円投資、値動きが全くなかったと仮定して比較してみたところ、コストが最も低いAファンドでも、10年間で2万円以上になりました。また、コストの高いCファンドとAファンドを比べると、その差はなんと3万円以上! 販売手数料と合わせたら、4万円近くの違いになるのです。これが冒頭の田中さんと佐藤さんの理由です。

信託報酬は直接払うわけではないので、目に見えにくいコストです。その額は預けている金額に対して年率何%と決められていて、毎日、日割り計算で信託財産から差し引かれています。

長期になると販売手数料以上の影響がでてきます。実際、2つの表のコストを比較すると、5年間の保有でもBファンドの信託報酬は販売手数料の5倍になっていることがおわかりいただけるでしょう。数あるファンドの中には、入り口で目立つ販売手数料は無料にし、目立たない信託報酬を高めに設定しているものもあるので要注意です。

では、残りのもうひとつの解約時にかかるコストは次のページで!
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