投資をする前に知っておきたい新興国のキホン
2014年サッカー・ワールドカップに続いて16年夏季オリンピックが開催されるブラジル。その経済効果は2026年まで511億ドルにのぼるとか。 |
2011年にはいよいよ日本の公的年金資金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も、外国株式の投資枠に新興国株式を組み入れると発表。これからの資産形成には、新興国を含めた世界全体への投資が欠かせなくなってきているといえるでしょう。
とはいえ、世界金融危機の時のように先進国以上の大幅な下落もあり得るのが新興国投資。投資をはじめる前に、もう一度、新興国のことを再認識しておく必要があります。
●BRICs、ポストBRICsの新興国のくくり
ご存知BRICs 、VISTAをはじめ、次に急成長が期待されている11の国NEXT11。MENA(ミーナ)も、ポストBRICsとして注目が集まる中東と北アフリカを合わせた市場です(国の重複あり)。この他ポーランドなどの東欧諸国もあげられます。 |
これらの国に共通して言えることは、現在高度経済成長期を迎えているか、その準備段階にあること。政情や資源、人口の違いで、それぞれ成長のスピードは大きな違いが出るとみられます。
新興国の定義・特徴は?
<新興国ならではの魅力>・経済成長が発展の途中で、大きな成長余地がある。
・広大な国土を持ち、豊富な天然資源に恵まれている。
・人口が膨大で、消費力、安価な労働力があり市場の成長が見込まれる。
<新興国ならではのリスク>
・市場の規模が小さく取引量が少ないため、少しの資金の流出入で価格に大きな変動がある。
・不安定な政情により急速に投資資金が撤退するおそれがある。
・経済の基盤が弱く、予期せぬ事態で急速に変化する可能性がある。
このような特徴・リスクをおさえたうえで、より成長する国はどこか、応援したい国はどこかを考えて投資先を選びましょう。目先の動きに右往左往しない落ち着いたバイ・アンド・ホールド(長期保有)の投資が、新興国の投資では賢明といえます。
それでは、新興国の通貨・債券・株、それぞれのメリットと注意点について次のページでご紹介します。