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2000年のITバブル時とは違う今の状況(2ページ目)

2000年のITバブル崩壊の直接のきっかけは携帯電話の作り過ぎによる世界的な大幅な在庫調整が入ったためです。今回も同じことを繰り返すのか、それともそうではないのかの見極めは今非常に重要と思われます。

藤村 哲也

執筆者:藤村 哲也

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携帯電話の保有者数は当時に比べ3倍

22億人が使う携帯電話
22億人が使う携帯電話
その結果、多くの企業がダメージを受け、大規模なリストラなどを経て、各企業の体力もここ数年でようやく回復してきたことは記憶に新しいところです。そして、この2000年当時と今を比較すると携帯電話の保有台数は7億台から22億台へと3倍にも保有者数は増えているのです。

2005年には、ITバブル期の約2倍の8億1,600万台まで販売台数を伸ばしており、2009年には10億台を突破してくると予想されています。また、加入者数においても2000年当時は7億2,200万人に対して2005年には19億4,000万人(現在は約22億人)へ、2010年には35億人まで伸びていくと予想されています。


この状況からもわかるように、約22億人が利用している携帯電話の買い替え需要と新規購入者を合わせて販売台数が8億台強ということですから、2000年当時の状況とは全く違います。

もちろんサイクルの事情で一時的な在庫の調整期などは存在しますが、大きな流れで見れば今後はさらに伸びていくと思われます。

また、携帯電話の買い替え需要は日本では約6ヶ月~1年、海外では約2年となっています。

第三世代の携帯電話の世界的な普及はこれから


先に紹介したインターネット接続機能を備えた、日本のiモードやFOMAのような高機能携帯電話(第3世代携帯)についても、2001年の段階で利用者は約500万人、2005年で約7,500万人、現在は約1億人が利用していますが、これについても同じことが言えます。いち早くインフラが整備された日本が先行し(世界での第3世代携帯利用者1億人のうち日本が5,800万人)、韓国や欧米が追随し世界的に広がって行き、2010年には10億人を超える需要が予想されています。

今後、高機能携帯電話への買い替え需要だけで、現在の約1億台から2010年には10倍以上に増加していくと予想されており、これに新規加入者(2010年までに約13億人増加予想)の数字がプラスされていくのです。

また、2005年世界携帯電話の販売台数シェアでは、NOKIA(フィンランド)32.5%、モトローラ(米国)17.7%、サムスン電子(韓国)12.7%と上位3社で約63%のシェアを保有しており、残念ながら日本の携帯電話メーカー(ソニーエリクソンが6.3%で国内首位)は世界的には弱いのです。

しかし、インターネット接続機能、動画や音楽の配信、高画質、小型軽量化や部品の高密度化の進展においては日本が最先進国であり、さまざまな分野で日本企業の技術がかかわっています。そして、これからも大きく伸びていくこの市場の中で、特に普及が急速に進展していく高機能携帯電話の分野では、日本企業の技術力が大きなビジネスチャンスなっていくと考えており、その大きな流れをしっかりとつかみ、例えば、NOK(7240)フレキシブルプリント配線盤(折りたたみ式)が、売上高2,620億円から4,500億円へ、株価400円から4,400円へと、携帯電話の機能の変化(棒状の携帯電話から折りたたみ式携帯電話)で株価が大化けしたように、今後の有望企業を皆様に提供していきたいと思います。

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