日経平均株価の日足チャート。 出所:マネックス証券ホームページ |
では、なぜここまで株価が下がるのでしょうか。その理由を探ってみましょう。
パニック売りが止まらない
日本の相場は米国市場の動向に大きな影響を受けています。その米国市場での株価の下落を受けて、連日朝から売り先行となりました。この根底にあるのは「サブプライム問題」。これが今回の株価下落の要因の1つになっているのは、間違いないでしょう。実はサブプライム問題を抱えているのは米国だけではありません。三菱UFJフィナンシャル・グループ、住友信託銀行などもその問題を抱えているのです。
三菱UFJは7月末時点で約50億円の評価損が生じたと発表し、サブプライム関連の金融商品への投資は約2,800億円にのぼります。また、住友信託銀行はサブプライム関連の金融商品への投資で、2億円の含み損を抱えているのです。
こういった負の要素がたくさんあるので、なかなか株価が本格的には反発できない状況になっているようです。しかも「年初来安値更新」という言葉さえも、投資家にとってはかなりマイナス要因になり、パニック売りが加速してますます株価を押し下げている様子が伺えます。
ちなみにTOPIXも連日で安値更新をしています。
TOPIXの推移。 出所:マネックス証券ホームページ |
円高進行が株価を下げる
ドルの動き。急速な円高が伺える。 出所:マネックス証券ホームページ |
円高になると、当然輸出関連の株が売られます。日経平均を引っ張るような自動車株や電機株も、ダイレクトに円高の影響を受けて株価を下げています。また、これまでの円安によって企業業績の上方修正期待があったのですが、それが崩れたという見方もでき、さらに売りを呼ぶ形となっているのです。
それから、円高の要因としては、最近では個人の間でFX(外国為替証拠金取引)が人気化していたことも考えられます。円安のときにドルを買っていた投資家が、一転円高になる、つまりドル安になってしまったので、慌てて円を買い戻しているために、円高に拍車をかけている可能性もあるのです。FX人気が裏目に出てしまったのかもしれません。
次のページでは、さらに株価下落の要因を見てみましょう。!次のページへ>>>