時間を味方にする
まずは株価が数倍になるために必要な最も重要な要素は、「時間」です。前回の記事でも取り上げたように、1日で数倍になる可能性は極めて低いので、だったら時間軸を伸ばせばいいわけです。たとえば時間軸を10年にとってみましょう。今から10年前の日経平均を見てみると、2003年4月に7,608円をつけて底打ちをしてから、2007年7月に高値18,262円をつけるまでに、約4年の歳月がかかっています。この間、日経平均株価は2.4倍になりました。
日経平均の10年チャート。 出所:マネックス証券ホームページ |
ただ、日経平均の場合には、あくまで平均なので、爆発的な上昇というのはありません。これが個別になると、もっと動きが激しくなってきます。
有名どころのトヨタ自動車の場合、2003年4月に2,455円の安値を付け、その後2007年2月に8,350円まで株価を上げてきました。
トヨタ自動車の10年間のチャート。 出所:マネックス証券ホームページ |
今では世界的なゲームメーカーである任天堂の場合には、2003年5月に7,970円、そして2007年11月に73,200円となりました。
任天堂の10年間のチャート。 出所:マネックス証券ホームページ |
どちらも4年近い時間をかけて、ゆっくりと株価を上げてきていることがわかります。
放置するという考え
時間を味方にするためには、とにかく一度買ったらそう簡単に売らないことが前提となります。そのために必要なのは、ある種「我慢」。というのも、人間というのは、目の前に含み益がある銘柄があると、「ここで売ったら○○円儲かるな」と思って、売ってしまうことも多々あるのです。「今売らないで、もし1年後に半分になったら…」と、とにかく売る理由を探し出します。
そうなると、もう自分の気持ちが「売る」方向に向かっているので、これに耐えるのは、特に初心者の場合にはけっこう辛いことだと思います。
ではどうすればいいのかというと、株価も見ない。場合によっては証券口座にログインしないという、「放置」の姿勢を保てばいいわけです。
株価が上がったり下がったりするのは当然なので、じゃ何が問題なのかというと、それを見てしまうことです。そしてそこで利益がいくらだと計算をしてしまうこと。だから気持ちがぐらついて、売りたくなるのです。
そもそも長期的に株を保有しようと思ったら、日々の株価の動きなど気にする必要はないと私は考えています。そういう時間があるなら、もっと違うことをすればいい。それが前にも書いたように時間を味方にしながら、有意義な人生を歩む方法だと思います。
では、他に必要な要素は何なのか?次のページでも引き続き見ていきましょう。