現在の遺族年金制度を理解しよう
この制度改正の原因は、やはり年金の財源の逼迫が大きい |
この改悪の影響を受けるのは、サラリーマンの妻といわれる人なのですが、まず、サラリーマンの妻を対象として現在の制度の理解をしておきましょう。
サラリーマンである夫が死亡したときに支給されるのが、遺族厚生年金と遺族基礎年金です。遺族基礎年金は18歳年度末まで(一定の障害がある子は20歳)の子供がいることが条件となります。一方子供の有無にかかわらず支給されるのが遺族厚生年金です。従って子供がいないサラリーマンの妻には遺族厚生年金のみが支給されることになります。どちらも再婚等しない限り一生涯受け取ることができます。
「一生涯受取り」の原則が崩れる
この一生涯受取できるという「安心感」は残された遺族にとってかけがえのないものですが、この安心感を一部の人が享受できなくなる!というのが今回の改正です。その一部の人とは、「30歳未満の子供がいない妻」ということになります。この30歳未満の子供がいない妻に対する遺族厚生年金は「5年間の期限付き」となります。今まで一生涯受取りできていたものが、5年間しか受け取れなくなるわけで、かなりひどい改悪と言えるでしょう。
子供がいない妻は、元々遺族基礎年金を受け取る資格がありませんので、5年後は公的年金からの遺族保障は全くなくなってしまいます。同じ子供がいない配偶者でも30歳になっていれば原則一生涯保障され、29歳だと5年間のみの保障となりますので、30歳が大きなターニングポイント、「運命の分かれ道」となってしまいます。
実態誰が影響を受けるのか確認しましょう。