企業年金・401k/自営業者の年金

自助努力必須!自営業者の年金(2ページ目)

50代の自営業者夫婦が相談に見え、自分達の年金額の少なさに愕然とされていました。このご夫婦に限らず、自営業者は老後の収入確保について自助努力が必須です。

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

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対策は大きく3つある

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自営業者は老後の年金だけでなく、遺族の年金の低額となる場合が多い。そのため遺族保障も手厚くする必要がある
幸いTさんご夫婦は子供さんが既に独立しており、今から年金増額対策を立てれる資金的な余裕がありますので、何点か対策のご提案をすることにしました。考えられる対策を検証してみます。

■国民年金基金に加入する
厚生年金に加入できない自営業者等は、国民年金の第1号被保険者独自の上乗せ年金制度である「国民年金基金」に加入することができます。掛金は毎月6万8000円が上限で、掛金が全額所得控除になるメリットがあります。

■小規模企業共済に加入する
こちらは年金の上乗せではなく、自営業者の退職金制度と言えるものです。個人事業を廃業したりしたときに共済金として受け取ることができます。一括受取だけでなく、分割受取も可能となっています。掛金は毎月7万円が上限で、こちらも掛金が全額所得控除になります。掛金の範囲内で貸付も受けられます。

■法人成りし、厚生年金に加入する
個人事業を法人成りすることによって、厚生年金への加入が可能となります。遺族への給付が手厚いのも厚生年金のメリットで、遺族への生活保障という意味合いでも加入のメリットがあります。ただ、法人成りすることのメリット、デメリットがありますので、慎重に検討した上で判断すると良いでしょう。

できるだけ「早く」「少しずつ」はじめたい

ただ上に挙げた3つは掛金が全額所得控除になるというメリットがある反面、国民年金基金や厚生年金は途中で辞めることが出来ませんし、小規模企業共済については、短期間での解約は元本割れしてしまう等のリスクもありますので、それぞれ制度をよく検討した上で、決断したいものです。

Tさんは、法人成りするつもりはないとのことで、国民年金基金と小規模企業共済に興味を持たれたようです。

上記の対策の他にも、民間生保の個人年金に加入することも対策の一つでしょうし、単に銀行に毎月積立てをすることでも立派な対策となり得ます。

Tさんに限らず自営業者の皆さんは年金額の少なさを「働く」ことで解消しようとしがちですが、病気になったとき、事業が成り立たなくなったとき、また自身に万が一のことがあった時の遺族の生活を考えると、「働く」以外の対策をできるだけ「早い時期」から「少しずつ」はじめたいものです。


【関連記事】
自営業者に厳しい遺族年金制度

【関連リンク】
国民年金基金
小規模企業共済
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