年金/厚生年金保険料の計算方法

厚生年金保険料、忙しい時期で保険料が変わる!?

厚生年金の保険料は、給料額に応じて決まるので、同じ年収であれば控除される保険料額も同じはずなのですが、差がつく場合もあります。今回は、同じ年収で「忙しい時期」が違うケースで検証してみます。

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

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保険料は給料額によって決まるが……

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保険料は毎月の給料だけでなく、賞与にも同じ率だけかかる
よく、「厚生年金保険料が高い!」という声を耳にします。これは、会社員からはもちろん、会社の経営者からも聞く言葉です。なぜなら、会社員の給料から控除された額と同じ額を会社が負担しているからにほか。

厚生年金保険料は、給料額(標準報酬)によって決まります。ですから、例えば月給が30万円であれば、基本的に年齢や性別にかかわらず、またどの会社であっても保険料は変わりません。これは月給が50万円、あるいは100万円になったとしても、年齢、性別、会社によって変わることはありません。

ただ、「同じ年収であれば保険料は変わらないのか?」と言われると、そうとは言い切れないのです。厚生年金保険料の仕組みについて、見てみましょう。

忙しい時期によって保険料が変わる!?

ここに、同じ月給(基本給)30万円のAさんとBさんがいます。2人とも基本給のほか、残業代が支払われます。2人の1年間の月給額は以下のとおりです。
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年収は同じだが、忙しい時期が違うAさんとBさん。どちらも月給30万円で、忙しい時期に10万円の残業手当がついている(単位:円)

AさんとBさんの年収はともに420万円。2人を見比べると、Aさんは1年の前半が忙しく、Bさんは後半が忙しいようですが、1年のうち、10万円の残業代が6カ月間支払われているという点では、2人の給料総額に何ら差はありません。

それでは、2人の保険料を見てみましょう。先ほどの理屈で行くと、同じ保険料のはずです。

しかし実際の保険料(いずれも平成25年9月~平成26年9月)は、
  • Aさん 月3万5096円
  • Bさん 月2万5680円
と、なんと毎月約9400円もの差が出るのです。年間にすると11万円以上の差です。これは大きな差ですね。

この差の原因は何?次のページで検証します>>>
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