妻のパート収入は増えすぎると損なのか

収入が103万円を超えると「配偶者控除」は受けられないが、141万円未満までなら「配偶者特別控除」が受けられる

収入が103万円を超えると「配偶者控除」は受けられないが、141万円未満までなら「配偶者特別控除」が受けられる

ある日、40代のある男性から相談がありました。

「このご時世で私の収入がダウンしそうなんです。妻のパート勤務時間を増やそうかと話をしているのですが、中途半端に増やしたら損になることがあるって聞いたのですが……」とのことでした。

確かにパート勤務の収入には「103万円の壁」「130万円の壁」というものがあり、この枠内で働いたほうが「得」だという噂があります。実際、収入をこの枠内に抑えるため、12月の勤務時間を調整している人も少なくありません。

ただ、この2つの壁の意味を混同しているケースもありますので、ちょっと整理してみたいと思います。

越えても影響が少ない? 103万円の壁

まず、「103万円の壁」とは、この範囲内に収入を納めることで、自身には税金がかからず(住民税は若干かかる場合あり)、税法上の配偶者控除の対象となり、世帯主が支払うべき税金(所得税、住民税)が軽減されるというものです。いわば「税金の壁」ですね。

この枠内に抑えることで、夫の給料に家族手当や扶養手当といった手当がつく会社もあります。

ただし、103万円を少しばかり超えたからといって、配偶者に対する控除が全く受けられないわけではありません(配偶者特別控除がある)ので、夫の家族手当がでなくなることを考慮しなければ、この壁を越えるか越えるないかで、そんなに大きな影響はないように思います。

最近では配偶者控除の廃止、縮小の議論も始まっています。この壁が女性の社会進出を阻んでいる要因の一つとされています。人口が減少している今、労働力の確保という観点からも「103万円の壁」は低くなっていくと思われます。

影響が少なくない130万円の壁

一方、130万円の壁はどうでしょうか。この「130万円の壁」とは、この範囲内に収入を納めることで、健康保険の被扶養者と国民年金の第3号被保険者に該当するということ。つまり、自分自身で健康保険料や国民年金保険料を払う必要がなくなるのです。こちらは「社会保険の壁」ですね。

妻が健康保険の被扶養者や第3号被保険者になったからといって、世帯主の保険料は上がりませんので、そういう意味では「お得」といえます。

130万円の壁を超えると、自分で健康保険と国民年金の保険料を払う必要が出てきます。仮に国民健康保険に加入したとすると、最低でも月5000円は掛かると思われます。また国民年金の保険料は月1万5590円(平成27年度)ですから、両方で月2万円、年間24万円の保険料負担が発生してしまうことになります。

・収入が130万円なら、保険料負担ゼロ
・収入が135万円なら、保険料負担24万円

どちらが得か明白ですね(いずれも税金は考慮せず)。確かに130万円の壁は、中途半端に越えてはいけない壁といえるでしょう。

これらの壁、どれぐらい越えたら得になるの?次ページで検証>>>