文章:石津 史子(All About「年金」旧ガイド)
みなさんは、5年に1度のペースで国の年金制度の財政再計算が行われ、将来にわたり安定した財源のもとで運営されるようにするための制度改革が繰り返されていることをご存知でしたか?
国民全体の期待にこたえてくれる制度改革だといいのですが、近年実施されてきた年金制度改革の内容は、現役世代にとっては、年金に対する信頼や期待を裏切られるような厳しい内容ばかりでした…。
例えば、60歳から支給されてきた厚生年金は、段階的に65歳支給になりますし、年金の給付水準も平成12年4月からは5%適正化(平成14年度中は従前額が保障されている)されて実質的には減額ですし、保険料負担についても、ボーナスの比率の高いサラリーマンにとっては特に負担増となる「総報酬制」が平成15年4月に導入されます。
もう、うんざり…というため息が現役世代から聞こえてくるようなものばかり。
また、年金制度に山積している懸案の先送りは、年金財政の悪化に拍車をかけるばかりではなく、「公的年金制度への信頼」が薄れていくことを意味しているといえるでしょう。
次回の年金財政再計算は、2004年(平成16年)に予定されています。
2002年12月5日、次期制度改革の国の方向性を示し、国民的な議論のたたき台となる論点をまとめて、厚生労働省は「年金改革の骨格に関する方向性と論点」をだしました。