一人暮し高齢者の所得の男女格差が顕著
白書によると、65歳以上の高齢者人口に占める一人暮し高齢者の割合は増加しており、今後男性の一人暮し高齢者の割合が大きく伸びると予想されています。一人暮らし女性高齢者の所得(平成12年)は179万6000円で、同じ一人暮し男性高齢者の70.7%にとどまっており、全世帯平均(男性205万2000円、女性199万9000円)と比べても低くなっています。
また、所得のない者の割合も65歳以上の男性4.4%に対して女性の場合は16.5%と女性が大きく上回っています。
さらに、生活保護を受けている65歳以上の高齢者の割合は全体の37.9%なのですが、その中で、一人暮らしの高齢者世帯は26.9%を占めており、16.3%が女性となっています。
一昔前とは違い多様なライフスタイルが認められ、えています。でも、このままだと一人暮らし高齢者の予備軍といえるでしょう。現役時代の蓄財術や就労状況などが、高齢者になっても影響を与えていますので、今だけでなく将来の自分にも責任を取るように頑張る必要があるでしょう。
女性の一人暮し高齢者の所得確保は今後の課題
さて、白書で指摘していた「一人暮らしの高齢者の所得に関する男女の格差」については、その時代背景も大いに影響を与えていたと考えられます。万一高齢になって離婚したら、高度経済成長を影で支えてきた夫サラリーマン・妻専業主婦といった当時の典型的夫婦世帯の場合、夫婦それぞれが受け取れる年金の差は歴然です。
妻が64歳以下で離婚した場合は、昭和61年3月までの期間、国民年金に任意加入していた妻であっても月額6万円6000円程度ですし、仮に妻が65歳以上で振替加算が上乗せされた後に離婚した場合でも、月額10万円には遠くおよびません。
今後は、女性でも厚生年金などに加入した期間を持つ人が多くなるでしょうし、平成19年4月以降の離婚なら、厚生年金の報酬比例部分の年金の分割が可能になるので、女性が一方的に不利になることはないでしょう。
しかしいずれにせよ、一人暮らしを余儀なくされても生活していけるだけの収入を確保できるかどうかは、現役時代の頑張りしだいだと言えそうです。
そして、誰にも頼らず経済的に自立して生きていきたいと思うなら、「今は無理。そのうちいつか考えよう。」ではなく、自分の裁量で自由にできる収入がある間に、老後資金作りを始めておきましょうね!!
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