まず、くせのある遺族基礎年金の特徴を理解しておこう。
現在の鈴木さんご夫妻のように厚生年金に加入中の人が亡くなった場合、遺族に支給される年金は、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の二つです。遺族基礎年金は養育費として支給される年金なので、子どもがいることが前提です。また、下記の場合は、対象の子がいても生計を同一にしている間は遺族基礎年金は支給停止になるので注意が必要です。
●遺族基礎年金が支給停止になる場合
- 年収850万円以上ある子のある妻
- 夫
また、遺族基礎年金は、亡くなった人の収入の多寡に関係なく定額ですが、終身年金ではありません。末子が18歳の年度末(1・2級程度の障害のある子の場合は20歳未満)を迎えると打ち切りになるので、支給期間を確認しておくことが重要です。
なお、以下の年金マダムの回答の前提は、次の通りです。
● このコラムの前提
- 相談者である鈴木和夫・裕子夫妻は、それぞれ年収850万円未満とする(=遺族としての生計維持関係あり)
- 在職中(厚生年金に加入中)に死亡したものとし、保険料納付要件を満たしているとする
夫が亡くなった場合、名目養育費である遺族基礎年金と遺族厚生年金が遺族に支給される
マダム:
鈴木さんが亡くなった場合には、少なくともお子さん達が高校を卒業するまでは養育費ともいえる遺族基礎年金が月額10万円程度支給されるからは、裕子さんの毎月の給料と年金をあわせると、それほど生活が困ることもないと思うけどね。さらに、厚生年金からも3万円程度の遺族年金が受取れるはずだし。
裕子:
10万円ぐらいの養育費の年金(遺族基礎年金のこと)と厚生年金からも遺族年金がもらえるのだったら、高校まではOKだわ。
でも、息子達が大学行くって言うかもしれないし、まとまったお金が無かったらやっぱり大変だわ。
マダム:
裕子さん、遺族厚生年金はその後も続いて支給されるわよ。養育費の役目をしている遺族基礎年金の支給は、二人が高校を卒業したら終わってしまうけれど、翌月からは遺族厚生年金に月額5万円ぐらいの加算がつくの。これなら少し安心でしょう?これを中高齢寡婦加算(平成17年度:加算は定額で、59万6000円)っていうんだけど、難しい呼び名でしょう!?
裕子:
ええ、もう頭がぐちゃぐちゃ○△◇×○■~!
でも、この人に、もしものことがあっても、なんとか生活していけそうな気がしてきたなぁ~
マダム:
日々の生活は年金と裕子さんの収入で賄うとして、あとは二人の教育資金と現在返済中の裕子さんの住宅ローンの残債ぐらいを鈴木さんの生命保険金で準備できれば、子育てに集中できるよね!?
そしてあとは、裕子さんの頑張り次第よね!
和夫:
あのぉ~、その養育費の年金(遺族基礎年金のこと)は、ボクも受取れるのでしょうか?
マダム:
あっ、ごめんね、すっかり裕子さんの話ばかりになってしまって。それがね… 続きはこちら>>