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老齢基礎年金の計算方法とは?

国民年金からの老齢基礎年金と厚生年金からの老齢厚生年金について、その計算方法をわかりやすく解説します。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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この連載では「わかりにくい!」という声の多い日本の年金制度をいろいろな角度からご案内しています。

年金制度についていろいろな疑問が挙げられますが、特に多いのは、「将来はいくら年金がもらえるの?」という自分の年金額についての疑問です。

最近では、ねんきん定期便やねんきんネットによって将来の年金額を確認することができるようになりましたが、やはり年金額の計算のしくみは複雑です。

 
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今回は、原則として、国民全員がもらえる国民年金からの給付である「老齢基礎年金」と、会社員が加入する厚生年金保険からの給付である「老齢厚生年金」について、現在、実際に支給されている年金額の計算方法を紹介します。
 

老齢基礎年金の計算方法は?

国の年金制度(公的年金)に加入して、受給資格期間を満たした人なら、全員がもらえる老齢基礎年金。この年金は、定額で支給される年金です。ただし、現役時代に、保険料を納めた期間がどのくらいあるのか、免除を何年間受けたのか、ということが、もらえる年金額に大きく影響します。

20歳から60歳まで40年間、全ての期間、保険料を納めた人については、年間で788,900円(平成23年度価格)の年金が支給されます。厚生年金保険や共済年金に加入している人(第2号被保険者)や、専業主婦の人(第2号被保険者に扶養されている配偶者)は、国民年金の保険料を直接納めてはいませんが、第2号・第3号としての被保険者期間も、国民年金の保険料を納めた期間(保険料納付済期間)となります。

もし、この40年間に保険料を払っていない期間(滞納期間)があったり、カラ期間があったりすると、それらの期間は年金額には反映されません。老齢基礎年金の額はその期間分減額され、少なくなってしまいます。このように保険料納付済期間が40年(40年×12月)に満たない場合、年金額は以下のような計算式で求めることができます。なお、年金額の計算式は、全て月単位で計算します。
 
788,900円× 保険料納付済月数
40年×12ヵ月

例えば、今まで滞納してきた35歳のフリーランスの人が、今後60歳までの25年間、保険料を納付する場合の将来の年金額(100円未満四捨五入)は、
 
788,900円× 25年×12ヵ月 493,100円(平成23年度価格)
40年×12ヵ月

となります。

では、保険料の一般免除制度を利用した期間がある場合はどうなるでしょうか。全額免除・4分の3免除・半額免除・4分の1免除という一般免除制度を利用すると、たとえその後10年以内に保険料を納めなかったとしても、一部、年金額の計算に反映されます。平成18年7月から、保険料の多段階免除制度が導入され、老齢基礎年金の年金額を計算する式は以下のようになりました(計算式は、国民年金の加入期間が40年(480月)以内の人の場合)。
 
788,900円× 保険料納付済月数+(保険料免除月数×反映割合)
40年×12ヵ月  


反映割合
反映割合

反映割合

保険料納付済月数や保険料免除月数がわかり、今後、60歳までの保険料の納付予定がわかれば、老齢基礎年金の年金額の計算は可能になります。

ご質問の多いところですが、保険料の滞納期間がある場合は、2年前までの分であれば、遡って支払うことができます。なお、現在継続審議中の「年金確保支援法案」には、遡って10年まで保険料が支払える改正が含まれています。この法案が決定すると、滞納した保険料が10年分納付できるようになります。将来もらえる年金額を増やすためにも、保険料はきちんと払っておくことが必要です。

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