だんだん複雑な計算に…
 

老齢厚生年金の計算方法は?

年金制度の2階部分にあたる老齢厚生年金。受給資格を満たし、厚生年金保険に加入したことがある人は、65歳から受け取ることができます(生年月日によっては、一定要件を満たせば、60歳から64歳の間でも部分的に受け取ることができます)。

老齢厚生年金は現役時代の収入によって年金額が異なる「報酬比例」の年金です。つまり、入社したときから、退社するときまで(転職した場合は通算)の全期間の給与や賞与(標準報酬月額・標準賞与額)の平均額をもとにして、生年月日によって決まっている給付乗率と厚生年金保険に加入した月数を掛けて年金額を計算します。

収入にかかわらず全員が同じ定額の保険料を支払う国民年金と異なり、厚生年金保険は収入が高い人ほど高い保険料を納める仕組みになっています。この現役時代に納めた保険料の違いが、年金額に影響するのです。

なお、平成15年4月に導入された総報酬制により、それまで年金額には反映されなかった賞与が報酬比例の年金額に反映されるようになりました。したがって、老齢厚生年金の年金額を求める計算式は、平成15年3月までの加入期間をもとにした年金額と、平成15年4月以後の加入期間をもとにした年金額を別々に計算し、合計した額となり、以下のような計算式になります。

([1]+[2])×1.031×物価スライド率(0.981)
[1]平均標準報酬月額
(平成15年3月以前)
× 給付乗率 × 平成15年3月までの
被保険者期間月数
         
[2]平均標準報酬額
(平成15年4月以降)
× 給付乗率 × 平成15年4月からの
被保険者期間月数
 

平均標準報酬月額・平均標準報酬額って何?

式の中にある「平均標準報酬月額」とは、簡単に言うと現役時代の給与の平均です。会社に入社し、厚生年金保険に加入してから会社勤めを辞めて厚生年金保険の被保険者資格を失うまでの全期間の給与の平均額です。

また、「平均標準報酬額」とは、平成15年4月以後の総報酬制が導入された後の期間についての賞与も含めた平均です。つまり、給与と賞与を合わせた平均額ということになります。

なお、給与や賞与をそのまま平均してしまうと、平均額は現在価値に比べて低いものとなってしまいますので、過去の給与や賞与にその後の賃金の上昇などを考慮した「再評価率」という率を掛けて、現在の賃金水準に再評価した上で平均額を算出します。この再評価率は年代によって細かく設定されています。
 

物価スライドとは?

報酬比例部分の計算式について、給与の平均をもとに算出する平成15年3月までの期間の年金額と、給与と賞与の平均をもとに算出する平成15年4月以後の期間の年金額を合計するというしくみはおわかりいただけたでしょうか?

式の最後にある物価スライド率について、触れておきましょう。

国の年金制度である国民年金や厚生年金保険などでは、物価の変動に合わせて年金額を増減させ、年金額の実質的な価値を維持しようとする物価スライド制というものがあります。

毎年、総務省によって発表される「全国消費者物価指数」という物価の変動を表す指数がその前年に対して変動した場合に、その変動率を基準として年金額の物価スライド率が決定され、翌年4月以降の年金額が改定されます。
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しかしながら、平成11年から13年にかけて物価は-1.7%下落しましたが、年金額は据え置かれました。その後、平成14年以降の物価下落率は年金の支給額に反映されていますが、据え置かれた下落率は未だ解消されていません。

平成16年の年金法改正で導入されたマクロ経済スライドによる年金額の見直しも、この据え置かれた物価下落率が解消された後適用されるため、法改正後現在に至るまで適用されたことはありません。

「もうわからない…」実は計算しなくても調べる方法があります(次ページへ)