女性と年金の関係、結婚がターニングポイント?!
日本の公的年金制度は、原則20歳から60歳までの国民全員が加入する制度です。主に自分の職業で、国民年金のみに加入する第1号被保険者あるいは第3号被保険者になるのか、国民年金と厚生年金(または共済年金)に加入する第2号被保険者になるのかが決まります。

女性は、男性に比べて、20歳代~30歳代にかけての転職率が高く、また結婚や出産でいったん仕事を辞めて専業主婦になるなど、職業が変わることが多い傾向にあります。そのため、年金制度へ加入した後、被保険者の種別が変わっていることが多く、年金額の計算方法が男性よりも複雑になります。

そこで、今回は複雑になりがちな女性の年金加入歴から、特に多くみられる事例で将来もらえる老齢年金の種類や、今後女性の年金はどうなるのかご案内していきます。

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女性の年金の特徴(1ページ)
60歳代、50歳代に多くみられる事例(2ページ)
40歳代、30歳代に多くみられる事例(3ページ)

女性の年金の特徴


●昭和61年3月までの女性の年金~旧法の年金制度
昭和の時代は、現在に比べると外で仕事をする女性は少数派で、結婚を機会に家庭に入り、専業主婦として過ごすことが一般的な時代でした。

専業主婦となった妻の大半は、会社を退職するとき厚生年金も脱退し、その後国民年金に加入するかどうかは、任意となっていました。厚生年金を脱退するときに払い込んだ保険料を脱退手当金として精算し、その後も年金制度に任意で加入しなかった専業主婦の妻は、自分の老齢年金はありませんでした。旧法の年金制度では、会社員と結婚した妻は、夫の老齢厚生年金に妻の分として、いわゆる扶養手当である加給年金がプラスされ、夫婦2人分の年金が支給されていました。

一方、自営業者の妻の場合は、昭和36年4月以降、夫婦ともに第1号被保険者として国民年金へ強制加入となり、保険料を払うものとされていました。
※脱退手当金として払い込んだ厚生年金の保険料を精算すると、その期間はカラ期間として受給資格期間のみに反映し、年金額の計算には反映されません。
●昭和61年4月以降の女性の年金~現在の年金制度
昭和61年4月の年金法改正で、全国民共通の国民年金を1階とした基礎年金制度が導入され、原則20歳から60歳の国民全員が、第1号~第3号被保険者のいずれかの種別で年金制度に加入する仕組みに変わりました。

この改正以降、結婚や出産をきっかけに会社を退職すると、第3号被保険者として年金制度に加入し続けるので、受給資格期間を満たせば、専業主婦であったとしても自分の老齢年金をもらえるようになりました。

また、加給年金として夫の老齢厚生年金に加算されていた年金も、妻が65歳になって老齢基礎年金をもらえるようになると、「振替加算」として妻の年金に加算される仕組みになりました(加給年金と振替加算の詳細は「平成19年度の年金額はどうなったの?」をご覧ください)。

年金をもらっている世代・まもなくもらえる世代に多い事例です(次ページへ)