国民年金に加入する自営業者の場合は?

モデル事例で考える~自営業者の場合

それでは、モデル事例を使って必要保障額を計算してみましょう。はじめに、自営業者の必要保障額を考えてみます。

夫婦とも第1号被保険者であるモデル事例の自営業者夫婦スズキさんのプロフィールは以下の通りです。
 
【スズキさんのプロフィール】
スズキヒロシ 45歳
  父親から引き継いだ洋菓子店を営むパテシェ。専門学校を卒業後、家業の洋菓子店で働いているので、会社勤めの経験はない。20歳で国民年金に加入し、保険料の滞納はない。
スズキアケミ 43歳
  夫のヒロシさんを手伝う結婚18年目の専業主婦。実家も自営業だったので、短大卒業後は家業の手伝いをしていた。会社勤めの経験はなく、20歳から国民年金に加入している。
スズキミサキ 16歳
  スズキ家の長女。公立高校1年生。
スズキタクヤ 13歳
  スズキ家の長男。公立中学1年生。

万一ヒロシさんが45歳で亡くなり、アケミさんと2人の子どもが遺族となった場合の必要保障額を計算してみます。計算の条件として、ヒロシさんが亡くなった後は自営業を辞めてアケミさんがパートで仕事を始めることにします。自営業の廃業により、事業用の資産と負債を清算します。ミサキさんとタクヤくんは大学まで進学しますが、公立学校に進学するものとします。
 
【スズキさんの必要保障額の計算】
収入 遺族年金 745万円
妻の収入 2,013万円
老齢基礎年金 1,743万円
預貯金 2,395万円
事業用資産の処分 211万円
収入総額 7,107万円
支出 生活費・子どもの独立前 1,922万円
生活費・子どもの独立後 5,491万円
子どもの教育費 931万円
予備費 1,168万円
 支出総額 9,512万円
必要保障額 2,405万円

【資料データ】
・遺族年金
 ミサキさん高校卒業まで (792,100円+227,900円×2人)×2年間=2,495,800円
 タクヤくん高校卒業まで (792,100円+227,900円)×3年間=3,060,000円
 アケミさん寡婦年金  792,100円×306月/480月×3/4×5年間=1,893,500円
 ※ヒロシさんの保険料納付月数を306月とする
・妻の収入
 厚生労働省「平成18年賃金構造基本統計調査」よりパート平均時給940円とする
 1日7時間、月15日、60歳まで仕事をした場合
 940円×7時間×15日×12ヵ月×17年=20,134,800円
・老齢基礎年金(アケミさん)
 792,100円×(87歳?65歳)=17,426,200円
 ※厚生労働省「平成19年簡易生命表」の43歳女性の平均余命(43.92年)より
・預貯金
 総務省「平成19年家計調査」より個人経営者の平均貯蓄残高
・事業用資産
 総務省「平成19年個人企業経済調査」より小売業一事業所あたりの「資産?負債」の額

・生活費
 総務省「平成19年家計調査」より個人経営者世帯の1ヵ月あたりの生活費254,207円から計算
  子ども独立まで 254,207円×70%×12ヵ月×(22年?13歳)19,218,049円
  子ども独立後 254,207円×50%×12ヵ月×36年=54,908,712円
 ※末子(タクヤくん)大学卒業時のアケミさん(52歳)の平均余命(35.4年)より

・子どもの教育費
 文部科学省「平成18年度子どもの学習費調査」より
  公立中学校 1,414,387円(3年間)
  公立高校 1,561,758円(3年間)
  国立大学 入学金 282,000円 授業料 525,800円(1年間)

・予備費
 子どもの結婚援助資金(リクルート「結婚情報誌ゼクシィ」2006年調べより)
   3,779,000円×2人=7,558,000円

 葬儀費用
  東京都生活文化局「平成14年葬儀にかかわる費用等調査報告書」より葬儀費用の平均額(3,458,600円)のうち香典で負担した費用(約40%)を差し引く
   3,458,600円×60%=2,075,610円

 病気・けがへの備え
  生命保険文化センター「平成19年度生活保障に関する調査」より入院時の1日あたりの自己負担平均額20,100円
  入院日数を厚生労働省「平成17年患者調査」より最も入院原因の高い脳血管疾患での平均入院日数101.7日とする
   20,100円×102日=2,050,200円

試算の結果、スズキさんの現在の必要保障額は、約2,400万円となります。

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