少し複雑な計算ですが、電卓で計算できます |
準備する元本はいくら?
~目標の年金額を一定期間受け取るために必要な元本を知りたい場合
次に、将来必要な年金額を一定期間受け取るために必要な元本について考えてみましょう。老後資金を準備して、将来は毎年決まった金額を取り崩していく場合でも、元本の運用は続きます。例えば、年金として毎年50万円を10年間受け取る場合を考えてみます。元本の運用を行わずに50万円を10年間受けとるには、50万円×10年間で500万円を準備しなければなりません。もし、元本を運用して増やしながら毎年50万円ずつ取り崩していけば、準備額はもっと低い金額でも希望する年金額を受け取ることが可能です。
このように、元本の運用を続けながら毎年決まった年金額を一定期間受け取るために必要な元本を計算する場合は、「年金現価係数」を使います。
期間 (年) |
運用利率 | ||
1% | 2% | 3% | |
1 | 1.0000 | 1.0000 | 1.0000 |
5 | 4.9020 | 4.8077 | 4.7171 |
10 | 9.5660 | 9.1622 | 8.7861 |
15 | 14.0037 | 13.1062 | 12.2961 |
20 | 18.2260 | 16.6785 | 15.3238 |
25 | 22.2434 | 19.9139 | 17.9355 |
30 | 26.0658 | 22.8444 | 20.1885 |
それでは、毎年50万円を10年間、2%で運用続けながら取り崩す場合に必要な元本を計算してみましょう。
上記の表より、年利2%、期間10年間の年金現価係数は9.1622です。
50万円×9.1622=4,581,100円
運用せずに取り崩す場合に比べて、準備額は40万円以上低くなることがわかります。
毎年の受取額はいくら?
~用意した老後資金で毎年受け取れる年金額を知りたい場合
もし、500万円を現金で手元に持っているならば1年間に受け取る金額は500万円÷10年=50万円となりますが、500万円を運用しならが取り崩していく場合の受取額はもっと多くなります。元本の運用を続けながら年金として一定額を受け取る場合の受取額を計算する場合は、「資本回収係数」を使います。
期間 (年) |
運用利率 | ||
1% | 2% | 3% | |
1 | 1.0100 | 1.0200 | 1.0300 |
5 | 0.2060 | 0.2122 | 0.2184 |
10 | 0.1056 | 0.1113 | 0.1172 |
15 | 0.0721 | 0.0778 | 0.0838 |
20 | 0.0554 | 0.0612 | 0.0672 |
25 | 0.0454 | 0.0512 | 0.0574 |
30 | 0.0387 | 0.0446 | 0.0510 |
それでは、500万円の元本を3%で運用しながら10年間で取り崩す場合、受取額は毎年いくらになるのか計算してみましょう。
資本回収係数は上記の表より0.1172です。
500万円×0.1172=586,000円
運用せずに取り崩す場合に比べると、年間の受取額が10%以上高くなります。
このように、目的に応じて6つの係数を使い分けると複雑な複利の計算を簡単に行うことができます。目的に合わせた係数の選び方をまとめると、以下の図のようになります。
複利効果を利用しよう
早めの老後資金の準備を、このサイトでもいろいろな角度からお薦めしてきました。今回ご案内した複利効果も、早めに準備して長い時間をかけるとより高い効果が望めます。例えば、50万円の元本を年利2%で運用する場合2ページめの終価係数表を使って10年後、15年後、20年後の受取額を計算してみます。●10年後
50万円×1.2190=609,500円
●15年後
50万円×1.3459=672,950円
●20年後
50万円×1.4859=742,950円
このように、長期間の運用は複利の効果をより大きくすることも可能です。老後資金準備に複利の効果を十分活かすためにも、早目の準備が大切です。
※この記事は、掲載当初協賛を受けて制作したものです。
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