第3号被保険者はお得?(1)~メリットとデメリット
第3号被保険者制度のメリットとデメリットを比較します |
●第3号被保険者のメリット
- 保険料の負担がない
第3号被保険者は保険料の負担がありませんが、第1号被保険者と同額の老齢基礎年金を受け取ることができます。もし、会社員と結婚して20歳から第3号被保険者となり、そのまま60歳まで第3号被保険者として国民年金に加入すれば、40年間保険料を負担しなくても、65歳から満額の老齢基礎年金を受け取ることができます。
- 夫の会社で第3号被保険者の取得の手続きをしてくれる
平成16年の年金法改正で、平成17年4月から第3号被保険者の取得の手続きは、配偶者である第2号被保険者の勤務する会社が行うことになり、第3号被保険者は自分で行う必要がなくなりました。また、改正前の平成17年3月以前に届出忘れで無効となってしまった期間がある人は、届出をすることで全て加入期間に算入されるので、手続きを忘れて年金額が少なくなる可能性が低くなりました。
- 離婚時の年金分割が自動的
平成20年の4月から始まった離婚時の年金分割は、平成20年4月以降に離婚する場合、申請すれば第3号被保険者であった期間に相当する夫の厚生年金の加入記録を、自動的に2分の1、分割を受けることができます。夫の同意はなしで、分割を受けることができます(詳細は「4月からの離婚時3号分割とは?」をご覧下さい)。
●第3号被保険者のデメリット
- 上乗せ年金を準備できない
第1号被保険者は国民年金基金や個人型の確定拠出年金、第2号被保険者は厚生年金基金や企業型の確定拠出年金のような企業年金で、公的年金の上乗せとなる年金を準備することができます。これらの年金制度は、節税効果という点で公的年金と同じメリットがあるので、民間の個人年金保険より効率的に老後資金を準備することができます。
しかし、第3号被保険者には、このような税制上優遇された上乗せ年金制度を利用することができません。
- 加入記録漏れが生じやすい
年金の加入記録の確認作業が現在も進められていますが、基礎年金番号が導入された平成9年1月前に結婚して第3号被保険者となった人は、旧姓の加入記録が抜けている可能性があります。結婚によって名前や住所が変わり、結婚前後の加入記録が結びつきにくいため、ねんきん定期便などで加入記録の漏れがないかしっかり確認する必要があります。
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