生涯独身を貫き通したココ・シャネルと、離婚後ひとりの男性を愛し続けたキャサリン・ヘップバーン。歴史に名を残すこの2人の女性に共通する生き方は、現代女性にも参考になります。
ココ・シャネルの生き方?経済的に男性に依存しない
ココ・シャネルは「男に支配されることを徹底的に排除し、女性のからだと心を解放すること」を生涯の使命として生きた。 |
シャネルは「シャネルの5番」の香水などで女性の皆さんにはおなじみですね。行商人の娘として生まれたシャネルは、恋人カペルの出資で帽子屋を開業したのがデザイナーとしての出発点でした。
「彼女は『仕事と恋に生きた女性』と言われており、恋もたくさんしましたが『結婚』だけにはなぜか縁がなかった。彼女が望まなかったわけではなく、諸事情があり、縁がなかったのです。現在の独身女性も『絶対、結婚なんてノー』と思っている人は少ないと思います。すごくいい人がいたらしてもいいかな、とは思っていますよね。だから、結婚を望みつつも結果的にはせずに独身で生きて、成功し、彼女なりの幸せを手に入れたという点で、ひとつのモデルケースになると思います。」(山口さん)
恋人が出資してくれるなんてとてもうらやましい話ですが、シャネルは帽子店の成功後、せっかく出資してくれた資金をカペルへ全額返済しています。
「男が女を経済的に援助するのが当然の時代にあって、彼女は断固とした自立の美学を、経済的に依存している状態では対等な恋愛関係は築きようもない、という考えを持っていたのです」(山口さん)。
女性の心と体を解放するために人生を捧ぐ
その後、アクセサリーや服へと手を広げていきますが、最愛のカペルを事故で失ってしまいます。その悲しみを振り切るかのようにこれまで以上に仕事に情熱を向ける彼女はスポーツウェアを生み出し、さらにはスポーツからヒントを得た「体を自由に動かすことを重視した服」を作ります。彼女はこの服作りを通して「男に支配される女を徹底的に排除し、女のからだと心を解放しよう」と試みたのでした。カペルとウェストミンスター公(現英国エリザベス女王の祖父のいとこ)の2人からプロポーズを受けながらも独身を貫き通したココ・シャネル。戦中戦後に中断した仕事も71歳にカムバックし、黒のテーラードスーツをアメリカで大ヒットさせ、再び華やかなスポットライトを浴びました。情熱的であっても決して男に屈しない、自分に正直であることを貫いた彼女の人生は、1971年住まいとしていたホテル・リッツで幕を閉じました。享年87歳でした。