やりがいのある仕事がしたい!40代で自己啓発にまい進
旅行やスポーツが趣味。温泉でリフレッシュしながら、FPとして忙しい日々を送る |
「でも、仕事は思いっきり暇でした。経理事務のほか、役員の秘書的な仕事もしていましたが、お茶を入れたり、電話をとったりといったことが多く、あまりやりがいを感じられませんでした。上司にお茶入れをやめたいと直談判したこともありましたが、『それも仕事だと思いなさい。』と受け入れてもらえず……。」
そこで、古川さんは「他の仕事がしたいといってもアピールできるものが無ければダメだ」と気づき、自己啓発のためにパソコンスクールに通い、エクセルの表計算などを勉強。そして、ビジネスコンピューティング(商工会議所認定)という検定を受検し、3級を取得しました。
突然の経営破綻の知らせ!
ところが、仕事に前向きに取り組む意欲を取り戻した古川さんに、思いもよらぬ出来事が襲ってきました。勤務していた生命保険会社が破たんしたのです。「2000年9月、その時のことは今でも忘れることができません。1週間ほど前から役員があわただしい動きをしていたのですが、同僚から『古川さん、知ってます? 会社が破たんしたそうです」と突然聞かされて、とても驚きました。このままこの会社で定年まで働くのだろうな、と思っていたので、さすがにショックでしたね。」(古川さん)
私はどうなってしまうのか? 先が見えない不安な毎日を過ごしていたときに、お客様の相談窓口として内勤職員が交代でコールセンターに行くことになりました。直接、お客様と接する機会が少なかった古川さんに、新たな試練が訪れました。
コールセンターでのお客様との出会いが新たな希望に
営業をしたことのない古川さんは、お客様の質問に答えられるように毎日のように実務的な研修を受けました。「そこで初めて、『給料は会社の偉い人からもらっているのではなく、お客様からもらっているのだ』ということに気づきました。自分でも勉強しましたよ。お客様のために、夜遅くまで。」(古川さん)
毎日、お客様からの問い合わせに答えることに専念。中には怒るお客様もいたりしましたが、誠意を持って説明するとわかってくれる人もたくさんいました。
「ある日、お客様の一人に『いつもいろいろ教えてくれてありがとう!これからも頑張ってね。』と言われたんです。もう、涙が出るくらい嬉しかった!経営破たんでご迷惑をかけたお客様に逆に感謝された。そのとき私は、今自分が持っている知識をいかして人を助けてあげる仕事をしたいと思ったのです。」(古川さん)
これがファイナンシャル・プランナーを目指す、大きなきっかけとなりました。しかし、そうはいっても20年勤めた会社を辞めるには勇気がいるものです。順調にキャリアを築いてきた古川さんに初めて訪れた「人生の選択の悩み」。そんな古川さんに、退職を決意させたのは、友人からの一言でした。